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文: riko ito 写:山﨑 優祐 編:Miku Jimbo
一声発しただけで空気を変えてしまうような、静謐ながらも芯のある歌声で人々の心を掴むシンガーソングライター・優河。ドラマ『妻、小学生になる。』の主題歌「灯火」を担当し、その名を一層世に広めた彼女は、2022年に同曲が収録されたアルバム『言葉のない夜に』を発表。数々の音楽関係者が年間ベストアルバムにこの作品を挙げるなど、各所から絶え間ないラブコールを受け続けている。
生きづらい世の中を懸命に生きる人々の“悲しみ”や“祈り”を軸に据えていたような前作から一転、“根暗も踊れるダンスアルバム”と称した4枚目のオリジナルアルバム『Love Deluxe』を2024年9月4日にリリースした。エキゾチックな雰囲気を纏った「香り」や「Tokyo Breathing」、インパクトのあるビートが耳に残って離れないタイトル曲「Love Deluxe」など、これまでの楽曲からの振れ幅にまず驚かされる。大胆なチャレンジも自分の色に染めてしまう彼女の芯の強さと「自分が自分であること」への自信、あらゆるユーモアを取り入れて昇華させる軽やかさに魅了されてしまうはずだ。本作ではそんな新たな一面を見せてくれた優河だが、この2年半で彼女にどんな変化が起こったのだろうか?
今回のインタビューでは、盟友・魔法バンド(Gt.岡田拓郎/Ba.千葉広樹/Key.谷口雄/Dr.神谷洵平)のメンバーでもあり、今作のプロデュースを手がけた岡田拓郎とのやりとりはもちろん、前作からの心境の変化や身近な人に対して抱いた感情についてたっぷりと語ってもらった。
ー今作『Love Deluxe』について、“根暗も踊れるダンスアルバム”とコメントされていたのがまず気になりました。
“ダンスアルバム”と言うと、自分よりもっとイケイケな人たちのためのものだと引け目を感じてしまっていて。自分と同じような感覚を持った周りの人が、その人たちなりのリズムを楽しんだり、「自分も踊っていいんだ」って思えたりするようなアルバムを作りたかったんです。これといってハッピーな気持ちじゃなくても聴いたら自然と踊っちゃう、みたいなサウンドを自分たちの音楽に昇華させるとどうなるんだろうと思い挑戦しました。
ー今作は前作に比べてサウンド的にも開けたものになっていたり、ご自身や周りに対する愛情を歌詞から感じました。アルバム完成後の率直な手応えはいかがでしょうか?
普段の自分に近いテンション感の、ある意味自然体なアルバムが作れたらいいなと思って作り始めたのですが、でき上がって通して聴いてみても違和感なく今の私が表現されていると思います。すごく高いテンションではなくてもちゃんと熱がある、みたいな。リズムやビートに関してはチャレンジングで、岡田(拓郎)くんのプロデュースでアレンジも今までにない雰囲気になっているけど、聴けば聴くほど今までの作品から地続きになっていると感じます。
ー歌詞に関しても日常を切り取った内容が多い印象でした。
そうですね。前作『言葉のない夜に』は、“悲しみ”とか“祈り”とか、わりと静かな世界観を歌うことができたアルバムで。それはそれで自分の本質に近いものだし、好きなものではあるんですけど、ライブで歌っていくにつれて「普段の私ってもっと違うよな」と思うことも増えたんです。嫌な違和感とか、嘘をついているとかではなく、友達といるときのような感覚を音楽でも表現できる自信がついてきた、みたいな。前は「自分の声と音楽性はこういう感じ、だから自分の明るさや楽しさは音楽とはまた別の話」って思っていたけど、今は歌う上での自信と人間的な自信もついてきたからこそ「これは見せても大丈夫/ダメ」っていう境目があまりなくなってきて。近しい人に限らずいろんな人に自分の姿を見せる準備が整った感じがします。
ーこれまでは自然体の姿を表現するのに少しためらいがあったということでしょうか?
パーソナルな部分を出していいものなんだという認識があまり繋がってなくて。人間だからいろんな感情があって当たり前なのに「音楽は音楽」みたいな感じで(普段の自分と)無駄に区切ってしまっていて。でも音楽ってその人そのものが出るはずだから、ある一面だけ出さないのは変だなと感じ始めたんです。そこを出せたのは、周りの人たちとの関係性があったからこそだなと思って。そういう私をどうしたら形にできるかなって考えてくれたのがバンドのメンバーや岡田くんだし、その一つひとつが綺麗に繋がったと思います。
ー前作は制作期間がコロナ禍まっただ中だったこともあり、世の中のムードが作品に反映されていた印象もありました。優河さんが作品を作る際は世相を反映させていこうという意識はありますか?
今の時代の雰囲気を私の音楽に取り入れようという意識はなくて。コロナ禍に生きた私の感覚が作品にも出るのは当然のことだし、そういう要素を感じてもらえるのは嬉しいんですけど、それ(時代のモードを切り取ること)より大切なのは「そこで生きている人たちがどんなことを感じているか」だと思うので。コロナ禍が落ち着いてパーってみんな動き出したじゃないですか。自分もそうだったから、今作にもそういう外向きなエネルギーは自然と反映されているなと思いますね。
ー『言葉のない夜に』の制作中は曲が書きにくくなった期間もあったそうですね。前作と同様、今作の制作面で何か苦労した点があれば教えていただきたいです。
今回は、過去に出した「June」や「sharon」(2019年EP『めぐる』収録)みたいな曲たちの発展系のようなアルバムを作れたらいいねと話していたんです。“ビートで体を揺らせるアルバム”というテーマはあったんですど、自分の世界観がどういうビートに合うのかが結構難しくて悩んで。そういう意味での作曲のしづらさはありました。作れたとしても「求められてるビート感はこれじゃないかもな」って。
ーそういったアルバムの方向性は岡田さんと話されて決めていったのでしょうか?
そうですね。制作に入る前に岡田くんとどういうアルバムにしたいかを話していて、できている曲を送ったら「こういうビート感のほうがいいんじゃない」と岡田くんが「Sunset」と「Petillant」のトラックを送りつつ誘導してくれて。そこに自分も違和感なく「それやりたい。それならできる!」っていう気持ちで自然についていけたので楽しかったです。今回も曲ができない期間が長かったのでつらかったんですけど、岡田くんが示してくれた方向が見えたらテーマもちゃんと絞れていって。出てくる言葉も変わっていった感じがあります。
ー“ビートで体を揺らせる”ということ以外に、アルバム制作にあたって何か決めていたことはありますか?
曲ごとのテーマや歌詞の内容は、でき上がっていく中で決まっていったという感じで。どんどん作っていったら全部“人に向けた”曲になっていたし、そこにはそれぞれに向けた愛情がありました。
ーアルバムタイトルにもなっている“Love Deluxe”というワードはどのように思いついたものなのでしょうか?
やっぱりこのタイトルには、ビックリしましたか(笑)?
ー“Deluxe”ってインパクトがある言葉なので(笑)。
そうですよね(笑)。アルバムの曲が揃ってきたぐらいのときに「もう一段階アッパーな曲があったらいいね」という話をしていて。それで岡田くんが送ってきてくれたのが、「Love Deluxe」の元になるデモだったんです。その前に「Tokyo Breathing」のデモに「Disco」っていう仮タイトルがついていて、そのあとにできたディスコ曲だったので、岡田くんが「Disco Deluxe」っていう仮タイトルをつけてて。そこからもう“Deluxe”が頭にこびりついてしまったんです。
「Disco Deluxe」もめちゃくちゃいいタイトルだから、その名残があるものはなんだろうかと考える中で「Love Deluxe」に決めて。でも“Deluxe”が本当に強い言葉なので、しばらくは歌詞も定まらなかったんです。“Love”って入れたものの、人に対する愛だったり誰かに対する愛じゃないなっていう気がしてきたので、そこから「自分のための曲にしよう」って思ったんですよね。
ー優河さんなりのセルフラブをテーマにした曲だったりもしますか?
今の時代、「自分を愛しましょう」ってよく言うけど、誰もその愛し方を教えてくれないんですよね。だから私も最近まで、自分を肯定してあげられなくて。自分に対していい言葉をかけてあげられないというか、嫌なところばかり目についてしまって。誰かが悲しんでいたらそばにいてあげるとか、愛情を注ぐのは得意だったんですけど、自分に対してどうやって愛情をかけていいのかわからなくて。
ー世に言う“セルフラブ”は、「自分で自分の機嫌をとる」みたいな観点で語られがちだったりもしますが、本当の意味で“自分を愛する”ということになるのかは疑問ですしね。
そうなんですよね。人に愛情を注ぎ続けると、力が入らなくなってきて「これじゃダメだな」ってガソリン切れしてくる。でも、自分が一緒にいる人を見ると、すごく素敵な人ばかりで。この人たちに楽しんでもらえていて、一緒にいて私も楽しいということは、私もその人たちの一員なのかもしれないって。それで周りの人たちに声をかけるように、自分にもいい言葉をかけたいなって思ったんですよね。
ーそう思うようになってから、何か変化を感じた場面はありましたか?
私の場合は見た目のコンプレックスがすごく大きくて、たとえば鏡を見て「自分のここが嫌だな」って思っちゃったりするのが長年の癖だったんです。それを自虐としてポロッと言っちゃうことってあるじゃないですか。その自虐してる言葉って、絶対に自分に響いてると思うんですよね。それに気づいたらすごい悲しくなってきちゃって。自分は自分としてしか生きられないのだから、自分に悲しい言葉をかけ続けるのはやめようと。そうやって自分を苦しめるのは本当に悲しいことだし、絶対にいつか限界が来て、何かのきっかけで涙がバーって出てしまう状態になってしまうなって。
ー相手のことを優先して考えることができる人ほど、自分のつらさには気付けなかったりもしますもんね。
自分のコンプレックスをネガティブに感じてしまうこともあったけど、“そういう自分だからこそ誰かを心から愛する/優しくすることができる”と思えたり、“日々どうやって生きているか”がその人そのものになると実感できたりして、そういうことが自分の中にちょっとずつ積もっていって、自分の生き方に自信がついていった。「自信がない部分があっても、自分に嘘をつかず、地道に頑張って生きている!」というエネルギーもありましたし。何を考えて何を思うのも全部自分だから許して愛してあげようと思って。もちろん誰かに愛してもらうこともすごく大事だけど、まずは自分への考え方を変えたかった。自分が心地よく自分でいられるような曲を作りたいなと思って、タイトル曲にしました。
ー「Love Deluxe」はイントロでベースとシンセサイザーが利いていて、冒頭からパンチがありますよね。
そうですね。「Disco Deluxe」の段階でトラックが岡田くんから送られてきて、私も衝撃を受けたんです(笑)。どうやったらこれを私が歌えるんだろうかと悩みながらも徐々に面白くなってきて「やってみよう」と思いました。
ー「Don’t Remember Me」も、岡田さんから返ってきたアレンジが面白かったと、ご自身のpodcast『RIVERSIDE RADIO』でおっしゃってましたよね。
もともと違うアレンジで私が作っていたんですけど、アレンジが今ひとつ重かったんですね。でも、歌詞の内容も面白く書けて私はすごく好きだったので、やりたいという意思を岡田くんに伝えたら「ちょっと考えてみる」みたいに言ってくれて。それが返ってきたらアフロビートになってて、「えー!?」と衝撃を受けたんです(笑)。予測できないアレンジだったことが面白かったし、すごく馴染んでいたので、これでいこう!と。
ービートが耳に残る楽曲がアルバムの主軸になったのは、優河さんのリスナーとしての趣向が変わったのも理由としてあるのでしょうか?
それはあるかもしれないです。今ももちろん聴くんですけど、以前はフォーキーなものがより好きだったりもしたので。もともとビートが利いた音楽も聴いてはいたけど、そんなにたくさんは聴けてなくて。自分でそういうものを作ろうと思ったときに、意識して聴くようになったり、岡田くんが「こういうビート感どう?」ってプレイリストを作ってくれたりしたんです。そういうものを聴きながら勉強してました。
ーそのプレイリストにどんなアーティストの曲が入っていたのか気になります。
Cleo Sol(クレオ・ソル)とかDoja Cat(ドージャ・キャット)、Lizzo(リゾ)、Taylor Swift(テイラー・スウィフト)とかその他にもたくさん。クレオ・ソルはすごく静かな世界観の中でも温度があるし、そういう感じがかっこいいなと。あとは、Solange(ソランジュ)とか。ソランジュは前からすごく好きで、「こういう曲をいつか作ってみたいな〜」と思っていたところだったんです。
ー「遠い朝」と「Lost In Your Love」、「香り」は魔法バンドのみなさんと制作された曲なんですよね?
そうですね。「遠い朝」と「香り」は、去年やったツアーのリハのタイミングでデモができたので、ツアーでやってみることになったんです。そこで今まで通りセッション的なアレンジをして、わりと生々しいというか…「香り」は特にライブ感があるアレンジになりましたね。そこから音源化するにあたって、岡田くんがギターを入れてくれたり私もコーラスで遊んでみたりブラッシュアップしていきました。
「Lost In Your Love」は、最後に録った曲で。これももともと私はギターの弾き語りで作ってたんですけど、このアルバムに入れることを考えるとオーガニックすぎずほどよいバランスのアレンジを見つけたくて、みんなでレコーディングしながら作ったんです。ドラムを最初に録って、必要最低限のもの(編成)で流れができたらいいなという思いで作っていきました。
ー「香り」は優河さんのこれまでの楽曲とはまた一味違った、渋い楽曲ですよね。
いきなり葉巻の香りが感じられるような音で、「マフィア出てきた!?」という雰囲気の曲ですよね(笑)。岡田くんがどういう気持ちであのマフィア映画っぽいギターを入れたんだろうと、想像するだけで面白い。随所に魔法バンドのユーモラスな音が散りばめられているんですけど、それは築いてきた関係性じゃないと出せないものだったりするから。そういうユーモアと楽しさを入れたいと思える場であれたことがすごく嬉しかったです。そのおかげもあってか、「Don’t Remember Me」然り、今までだったら使わなかった言葉も今回は使ってみようって思えたりもしました。
ー先ほどおっしゃっていた、ご自身の自然体の姿を出すことにためらいがなくなってきたというのも使う言葉が変わった理由のひとつとしてありますか?
そうですね。あと、今までは手書きで歌詞を書いていたんですけど、今回はパソコンで打ったんですよ。そうしたら、友達に話すときみたいな言葉が結構出てきて。「Sunset」の《このままでいたいな いられたらな》とか、手書きだったら出てこないような言葉が、ある意味軽く打てたなっていう感覚があって。パソコンで打つことに責任がないわけではないんですけど、手書きだと書くこと自体にすごく責任感があるというか。
ー手書きだともう少し慎重さが必要というか。
パソコンは消す行為にもプレッシャーがないぶん、普段だったら消していたような言葉も、とりあえずこれで行ってみようみたいな感じである意味軽く捉えられたんです。それはそれで違和感なくメロディの軽やかさとも繋がってるし。手で書くこと自体は大事なことだし、絶対やめちゃダメだなとは思うんですけど、今回はこのやり方でやってみようかなって。
ー歌詞の変化で言うと、これまでの楽曲は情景を切り取った描写が多かったですが、「泡になっても」はストレートな感情表現がかなり印象に残りました。
友達がすごく落ち込んでて、その子にどうしても元気になってほしくて。どんな状態でもいいからそこにいてほしいっていう気持ちを届けたくて書いたんですけど、最後の最後に歌詞のチェックをしている最中に「その子のために歌ってると思ったけど、自分のための曲だな」って気づいて。その子がいなくなってしまうっていうのが怖くて、それを考えないように、自分を落ち着かせるために書いた曲だなって腑に落ちたんです。
ー歌詞を書いたときは具体的にどういうことを考えてらっしゃったのか、可能な範囲でお聞きしてもいいでしょうか?
いつの時代もそうかもしれないけど、「つらい」という気持ちや、自分がどれだけ思い悩んでいるのかを、誰にも言えないことって本当にたくさんあるじゃないですか。大切な友人を亡くしたことがあるのですが、あのときに自分に何かできたことってあったのだろうかと思い続けて十数年経って。その子のことを忘れたことはないですね。大切な人をなくすことは誰にとってもつらく厳しいこと。こういう時代だし、どうしても這い上がれないくらい落ち込んでしまうことは私にもあったし誰にでもある。そういったときに、自分はその子のためにただ祈ることやそばにいてあげることしかできないけど、それぐらい私はその子のことを愛している。直接的にはその子の曲にならなかったとしても、「私にとってあなたはすごく大きな存在だよ」ということが少しでも伝わったらいいなと思って歌詞を書きました。
ー包容力のあるサウンドながらも、熱のこもった感情が伝わってくる素敵な曲だと思います。
ありがとうございます。何にもなってない曲かもしれないけど、誰かの何かになったらいいし、今のところ自分のための曲にはなったと思います。生きづらい世の中だから本当にいろんな悲しいことがあるし、この先に何が待ってるよとかは言えないけど、みんな生き続ける道を選んでほしいなと思います。
ー「Tokyo Breathing」は、東京で暮らすことの生きづらさが表現されている曲のように感じました。
どこにいてもそうですけど、自分のことを認めてほしいし、人から求められたいし、自分も誰かを求めている。それが人間関係の根源だと思うんです。そういうことを通して人との関係性が大きくなっていくから、かっこつけないで求めていいんじゃないかなと。それが本当にそのときだけの関係だったとしても、それを良し悪しで決めなくていいなって気づいて。そうやっていろんな関係になっていったり、そこで終わりだったりもするけど、そういう流れの中でみんな試してる。
象徴的に東京の街を思いながら歌詞を書いたから「Tokyo Breathing」という曲になったけど、どんな場所でも社会ってそういうふうに成り立ってるよなって。息をして、「これはいる/これはいらない」っていう選択を日々みんなしながら生きている。このディスコの音楽に紛れながらそういう言葉がとつとつとあるのは、曲にも合っているなという手応えがありました。
ーサウンドはクールで“ザ・東京”のイメージだったのですが、歌詞は愛に溢れていますよね。
俯瞰するとやっぱり東京は冷たい街だし、もしかしたら近くで見ても冷たい街なのかもしれないけど、そこには絶対に人との関わりがあって。それが薄くても濃くてもいろんなものを含んで息をしている感じがするなと思っています。
ーアルバム全体で言うと、今作は新たな挑戦も多かったのではないかと思いました。優河さんにとってどんなアルバムになりましたか?
岡田くんやバンドのみんな、私が普段会ってる人や家族をはじめ、本当にいろんな人のエネルギーを“自分”っていう入れ物に入れて、そこから「じゃあ自分だったらどういう言葉が出てきて、それをどう解釈したいのか」ということを、音楽の力を借りながら気負いなく感じてもらえるようなものができたかなと思ってますね。
ーより優河さんのパーソナルな一面に迫っているというか。
今までだったらパーソナルすぎて伝えられなかった言葉も、今回はわりと勢いに任せて書けて。「世の中のみんながそうでしょう」というふうに作るより「すごく変なことかもしれないけど、私はこう思ってるんだよね」ということに共感してもらえることのほうが多い気がして。まるっと共感してもらわなくても、なんとなくわかるみたいなことがちょっとでも今回のアルバムで増えたらいいなと。
自分を高めてくれるようなビート感に助けられながら、自分の言葉や音を作っていけたように感じています。ビートが大きな船みたいな感覚で、言えないかもって思ったことを「そんな思い詰めなくていいんだよ」って紛らわしてくれるというか。レコーディングって記録だから、純粋に今自分から出てきた言葉を楽しんでもらえたらいいなって。たくさん聴いてもらって、それぞれの物語になることを願っています。
INFORMATION
4th Album『Love Deluxe』
〈ポニーキャニオン〉
2024年9月4日(水)リリース収録曲
01. 遠い朝 – 2024 mix
02. Donʼt Remember Me
03. Petillant
04. Love Deluxe
05. Lost In Your Love
06. Mother
07. ⾹り
08. Tokyo Breathing
09. Sunset
10. 泡になっても【CD】PCCA-06315/税込3,300円
TOUR INFORMATION
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