枠組みや制約をすり抜ける幽体コミュニケーションズ。変幻自在の3人組が目指すもの|BIG UP! Stars #91

BIG UP! Stars

文: 保坂隆純  編:riko ito 

DIGLE MAGAZINEが音楽配信代行サービスをはじめ様々な形でアーティストをサポートしている『BIG UP!』を利用している注目アーティストをピックアップして紹介するインタビュー企画。第91回目は幽体コミュニケーションズが登場。

どこか懐かしいメロディや素朴な歌心、可愛らしくもときにカオティックな雰囲気も感じさせるトラック。京都発の3人組、幽体コミュニケーションズの音楽はノスタルジックな感情を刺激しつつ、まるでこの世ではないどこかを描き出しているような、不可思議な体験を与えてくれる。

すでにフェスや大型イベントにも出演し、じわじわとその名をシーンに浸透させている彼らの実体を掴むべく、今回はオンラインでインタビューを敢行。結成の経緯からそれぞれのバックグラウンド、そして11月2日にリリースしたばかりの新曲「光の波間で息継ぎして」について、3人にじっくりと語ってもらった。

「自分で歌うべきじゃないメロディや言葉などがあるような気がした」

ー3人は大学のサークルで知り合ったそうですね。出会ったときのことを覚えていますか?

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paya(Vo.&Gt.):

どんな感じやったっけ?
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吉居大輝(Gt.):

僕といししは同期で、サークルに入ったときにpayaは3回生の先輩として在籍していて。
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paya(Vo.&Gt.):

吉居には僕のソロ・プロジェクトに参加してもらったり、少しだけ一緒に演奏する機会もあって。当時から彼は持っている音の使い方がフレキシブルというか、すごく個性を感じていて。ギタリストとして声を掛けるなら彼しかいないなと思っていました。

そこから幽体コミュニケーションズの結成に至るまでの流れというのは?

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paya(Vo.&Gt.):

大学のサークルのイベントで何かやりたいなと思って、いししに声を掛けました。最初は2人でスタートしたんですけど、そのイベントのときに吉居とも「何かやりましょう」という話になって、後に加入してもらいました。

payaさんは幽体コミュニケーションズを組む前から音楽制作をしていたんですよね。

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paya(Vo.&Gt.):

そうですね。それ以前の活動とは違う新しいことがしたくて、いししを誘いました。ひとりで音楽を作っていくうちに、自分だけでは表現できない部分が出てきて。そこを補ってもらうために彼女を誘いました。何ていうか、自分で歌うべきじゃないメロディや言葉などがあるような気がしたんですよね。それ以前からいししは僕にないものを持っているなと強く思っていたので、彼女にならそういったものを任せられるんじゃないかなって。

結成当時はどのような音楽性を志向していたのでしょうか。

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paya(Vo.&Gt.):

正直、そこまで具体的にやりたいことが見えていたわけではないですね。どちらかというと、この先やりたいことが明確になったとき、それを実現できる状態になっていたかったというか。ただ、当時から歌と言葉が真ん中にある音楽がやりたいなという気持ちは持っていました。
photo by lou

3人の音楽的ルーツについてもお聞きしたいのですが、それぞれ重なっている、共有している部分はありますか?

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paya(Vo.&Gt.):

どちらかというとバラバラだと思いますね。

では、payaさんのルーツというのは?

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paya(Vo.&Gt.):

僕の音楽的ルーツというか出発点は、中学生のときに吹奏楽部に入ったことですね。なので、一番最初はクラシックなどを意識的に聴きつつ、同時に流行りのポップ・ミュージックも聴いていました。それこそASIAN KUNG-FU GENERATIONRADWIMPSBUMP OF CHICKENなどなど。

高校でも吹奏楽部に入ったんですけど、それとは別に友達とバンドを組んで文化祭に出たりもしていたんです。NICO Touches the Walls椿屋四重奏、そしてPerfumeの曲をカバーしました(笑)。

ご自身で音楽を作り始めたのはどれくらいの時期からだったのでしょうか。

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paya(Vo.&Gt.):

それも高校生のときですね。吹奏楽部で楽譜の書き換えをやってるうちに、自分でもゼロから曲を作れるんじゃないかなって思い始めて。最初は単純なメロディを考えて、そこに楽器の音を重ねてみてっていう感じでした。その当時、DTMみたいな機能が入っているゲームがあって、それで作り始めました。

幽体コミュニケーションズ以前に作っていた曲というのはどういった作風でしたか?

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paya(Vo.&Gt.):

今の音楽性から大きくかけ離れているわけではないと思います。ただ、ちょうどヴェイパーウェーブが流行っていたりして、SoundCloudに溢れているローファイで奇妙な音楽には惹かれていましたね。サウンドに対して、というよりかはマインド面で自分と通ずるものがあるなと。

ーなるほどです。それではいししさんと吉居さんのルーツについても教えてください。

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いしし(Vo.):

私の音楽の原体験は童謡だと思います。小さい頃、車の中で童謡がたくさん入っているCDがかかっていて。「およげ!たいやきくん」や「はたらくくるま」といった有名な曲がいっぱい入っていたんですけど、そのなかでも特に「もみじ」が好きで。よく妹と一緒に歌っていました。

ーpayaさんのように吹奏楽部に入ったりバンドを組んだりした経験は?

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いしし(Vo.):

それが全然ないんです。楽器も何も持っていなかったですし、両親も音楽を積極的に聴くようなタイプではなかったので。

ーでは、大学で音楽系のサークルに入ったのは何がきっかけだったのでしょう。

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いしし(Vo.):

幼馴染が高校で軽音楽部に入ったっていう話を聞いて、憧れというか羨ましいなって思ったんです。歌うこと自体はずっと好きだったんですけど、私が通っていた高校には軽音楽部がなかったので。

ー色々な音楽を吸収したのは、大学に入ってから?

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いしし(Vo.):

そうですね。それまでは流行りのバンドなどもほとんど知らなかったんですけど、サークルのみんなに教えてもらったりして。カバーしていて特に楽しかったのは吉澤嘉代子さんや柴田聡子さんなどですね。

ーでは、最後は吉居さん。

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吉居大輝(Gt.):

小さい頃からエレクトーン教室に通っていたので、楽器に触れ始めたのは早かったと思います。中学生になってからはさっきpayaが挙げたようなバンドにハマりましたね。特に影響を受けたのはアジカンで、ラジオでかかっていた彼らの曲を聴いてギターを買いました。基本的にはギターロックが大好きでしたね。

幽体コミュニケーションズで鳴らしているサウンドとは少し離れているのかなと思うのですが、そこから興味が移り変わるタイミングなどはありましたか?

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吉居大輝(Gt.):

大学に入ってからギターロック以外も色々と聴くようになって、一番影響を受けたのは君島大空さんだと思います。シンガーとしてもギタリストとしても大好きですね。あとは宗藤竜太さんやceroなども自分にとっては大きな存在でした。
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DIGLE編集部

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幽体コミュニケーションズ

様々な音楽を圧縮コピーして混線させたチープでストレンジなサウンドの上に、 男女混成によるあどけない歌声と四季に呼応する詩世界を同居させている。
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