気鋭クリエイター選曲の“One and Only”プレイリスト|Sam Gendel、Khruangbinなど

Playlist

文: DIGLE編集部  編:riko ito 

毎月テーマを設けてインタビューやコラム、プレイリストを掲載していく特集企画。2024年3月は“One and Only ―誰にも真似できない表現―”をテーマに、自身の人間性や作品制作の“根源”となるフィーリングを持った楽曲をアーティストやクリエイターたちに伺っていく。今回の記事では、カルチャーシーンで話題のクリエイターたちが“One and Only”をテーマに制作したプレイリストをお届け。

新進気鋭のクリエイターたちに特集テーマに沿った楽曲を紹介してもらうプレイリスト企画。今回は、YeYe礼賛をはじめ、数々のアーティストのアートワークも手がけるイラストレーター/グラフィックデザイナーnico ito、音楽イベントなどにも出店を行っているタトゥーアーティスト・細野茜、アーティストの作品コラボやディスプレイ装花まで幅広く手掛ける園芸家・KENJI KUMAKI、アーティストやお笑い芸人の撮影に携わる写真家・澤田詩園の4名が登場。

今回の特集テーマ“One and Only ―誰にも真似できない表現―”のもと、「唯一無二の表現を生み出す根源となっているもの」をテーマに楽曲を選んでもらいました。プレイリストには、Kate NV(ケイト NV)やSam Gendel(サム・ゲンデル)、Khruangbin(クルアンビン)、神聖かまってちゃんなどの楽曲を収録。全体を通して“プリミティブ”なムード漂うプレイリストとなっています。

さらにプレイリストには、柴田聡子BROTHER SUN SISTER MOONえんぷていVivaOlaなど、今回の特集にまつわるアーティストの楽曲も編集部が追加。クリエイターたちの選曲とあわせて、ぜひ聴いてみてください。

nico ito(イラストレーター)

この曲のような存在でありたい

Aksak Maboul「Formerly Known As Défilé」
Miss Bean「What a day」
細野晴臣「スポーツマン」
Yamasuki「Yamasuki」
Memo Boy「Youtspsit」
ARTHUR「Ivy League」
Juana Molina「Cosoco」
OTTO「About You Now」
AFX「Every Day」
Kate NV「Kata」

コメント

自分の作品に関して「この曲のような存在でありたい」と感じるものをまとめているプレイリストがあり、今回はその中から抜粋しました。どの曲もキャッチーさとヘンテコさのバランスが私にとってすごく理想的です。誰もが“わかる”部分は大切にしたいです。また、勝手ながら「曲の主人公」を想像したときに、どこか冴えないけど愛せるキャラが浮かぶ曲にも惹かれます。そんな作品を作っていけたらいいなと思います。

PROFILE

nico ito

1996年東京生まれ。武蔵野美術大学空間演出デザイン学科を卒業後、フリーランスのイラストレーター、グラフィックデザイナーとして幅広く活動中。架空の世界をテーマにさまざまな作品を描き続けている。

細野茜(タトゥーアーティスト)

人間のプリミティブな欲求

Sam Gendel「AB」 
Clever Austin「Speckle」
SAULT「Power」
Debruit「Nigeria What?」
Chassol「Birds, part I」
Bitchin Bajas「Jammu」

コメント

子どものころ、現実のどこかに小さな入口があって、その奥に別の世界が隣り合わせになっているのではと真剣に考えていました。今も想像をかき立てる不思議な魅力を感じるものが好きです。いれずみという行為は、太古より存在したと言われています。現代になっても、痛みを伴いながら、どこか祈りにも似た気持ちで彫りたいと思う、人間のプリミティブな欲求に魅かれます。絵を描くときやタトゥーをするとき、こんなことに思いを馳せながら聴いている楽曲を選びました。

PROFILE

細野茜

東京を拠点に活動するタトゥーアーティスト。鉛筆を使ったドローイング、ハンドポークによるタトゥーなどアナログにこだわった作風で描かれる動物や植物は、温かくどこか不思議な雰囲気が漂っている。

KENJI KUMAKI(園芸家)

唯一無二の表現を生み出す根源となっているもの

Whitney「Valleys (My Love)」
Bibio「Curls」
Florist「Vacation」
Chase McBride「On the Other Side」
Boy Scouts「Lighter」
Yo La Tengo「Green Arrow」
Khruangbin「A Love International」

コメント

僕が世界観をつくるうえで大切にしていることは、今までの自分の人生と本当に好きの寄せ集め。幼い頃からボーイスカウト活動をしてきたからこそ、野山の草花や生きものに目が行くようになりました。 花を繕うときも、音楽は欠かせません。鼻歌を歌ってしまいたくなる曲や、ナチュラルな柔らかさ、土っぽさ、風など自然のエレメントを感じられる音楽をセレクトしました。

PROFILE

KENJI KUMAKI

店舗を持たない花屋ブラウンシーとして、山梨・東京を拠点に活動中。ギフトのブーケから、アーティストの作品コラボやディスプレイ装花まで幅広く手掛ける。 園芸店みたいな部屋で、多くの植物たちと暮らしている。

澤田詩園(写真家)

自分の中にはない日本語を探しているよう

でんぱ組.inc「強い気持ち・強い愛」
ブラック・ビスケッツ「Timing〜タイミング〜」
globe「FACE」
神聖かまってちゃん「フロントメモリー – の子vo.ver」
TRIPLE H「ROCK OVER JAPAN」

コメント

私にとって音楽は感情に強く作用し、気分を操り、生活に影響を及ぼすもの。私は日常的に音楽を聴きません。しかしそのなかでアニソンやアイドルなど、キャラクター性の強い曲調は、声と意味が効果的に演出されるため自身と切り離して体感できる。人間本来の感情から脱出したイメージを受けることができる。コントロールの下意識をより遠くへ飛ばしたいとき、自分の中にはない日本語を探しているようです。

PROFILE

澤田詩園

北海道出身の写真家。都市と人、アニメと未来の新しい風景を探し写真作品を制作する。

出版幽霊部員:GHOST MEMBER PUBULISHING

澤田詩園と中村陽道(speedy快速)による出版部活動。

▼メッセージ
写真制作とともに出版幽霊部員を企画運営、本を作っています。アートブックフェアでお会いしましょう。春もやります!

▼出版幽霊部員 Instagram
https://www.instagram.com/yu_rei_buin

気鋭のクリエイターが選曲する“One and Only”プレイリスト

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