表現者として歩み出したMori Zentaroの原点|BIG UP! Stars #80

BIG UP! Stars

文: Mai Kuno  編:riko ito 

DIGLE MAGAZINEが音楽配信代行サービスをはじめ様々な形でアーティストをサポートしている『BIG UP!』を利用している注目アーティストをピックアップして紹介するインタビュー企画。第80回目はMori Zentaroが登場。

5月18日に初のソロEP『Hue』をリリースしたMori Zentaro。2013年頃よりトラックメイカーとして活動を開始し、〈Soulflex〉を率いながらSIRUPiri向井太一香取慎吾など様々なアーティストへの楽曲提供、プロデュースを行ってきた。

これまで関わった楽曲の数々を聴けば、彼の音楽性の底知れなさが伝わるだろう。その才能を自身の表現のために存分に発揮した今作からは、表現に対するアツい欲求がひしひしと伝わってくる。表現者としてさらに世界を広げた彼に、各楽曲の制作背景や作品に込められた想いを聞いた。

The Clashから広がった音楽性

ー音楽活動を始めたきっかけは?

高校生の時に友達とバンド活動を始めたのが最初です。当時好きだったパンク、ガレージ、グランジ、インディロック系のサウンドに影響を受けたオリジナル曲をやっていました。

父親が音楽好きだったので、幼少期からThe BeatlesThe Rolling StonesMiles Davisなど、​​いろんなジャンルを聴いていて音楽への目覚めは早かったんですけど、実際自分が曲を作ってみよう、楽器を弾いてみようって思ったきっかけはパンクロックでした。

ーバンドを始めた当時はどんなアーティストをよく聴いていましたか?

今でもずっとインスパイアされ続けてるThe Clashです。彼らのファーストを聴いたことが、今自分がここにいる理由といっても過言ではないくらいに影響を受けています。他にも高校生の時は2000年前後のThe Strokesのムーヴメントを目の当たりにしていたし、NirvanaWeezerThe White StripesThe Libertinesも当時影響を受けたバンドです。

ーオリジナル曲をやっていたということで、そのバンドでデビューすることを考えていたんですか?

高校生の時はただ好きでやっていた感じですね。それで積極的にライブをやったり、当時周りでブレイクダンスが流行っていたから、ブレイクしてる友達と一緒に定期イベントをやったりしているうちに、意外と地元でぽっと人気が出て。さらに、高校3年の時にYAMAHAさんが主催するバンドコンテストに出場してみたら、地元で優勝して、中四国大会で準優勝したんです。

ーすごい!

そこで「なんかいけるんじゃない?!」って思っちゃって、大学進学を選ばずに地元・高知からバンドメンバーと一緒に大阪に出ました。でも、大阪に出たらあっけなく解散しちゃったんですよ。人生で初めての挫折経験でしたね。その時にロック以外の音楽を掘りたくなって、ワールドミュージックを聴き始めたんです。そこはThe Clashを聴いてた影響があるかなと。

ーThe Clashはレゲエ、スカなどいろんな影響を受けてますからね。

だから最初はレゲエにハマって、初期のレゲエはアメリカのコーラスグループから影響を受けていることがわかって、今度はR&Bやモータウンに興味が移っていったんです。その時に「Stevie Wonderって名前ばっか知ってて、ちゃんと曲を聴いたことがないな」って思って、『Music of My Mind』っていうアルバムを聴いてみたらThe Clashのファーストを聴いた時と同じくらいの衝撃を受けて。

ーどんなところが衝撃でした?

その時に僕が聴きたいと思ってたすべてが詰まってる感じがしました。音楽で自由になるってこういうことなのかなって。そこからソウルミュージック、R&B、ヒップホップとか、アフロアメリカンの人たちの音楽に夢中になったんです。

そんな風にリスナーとしての趣向が変わったのと同じタイミングで、DTMを始めました。DTMとセットで思い切ってMIDIキーボードを買って、曲を作ってみようって思ったのが今の作風の始まりです。

ーそこから〈Soulflex〉へとつながっていくと。

Stevieを聴いて、もっとこういうの聴きたいって思った時にバチっとはまったのがD’Angeloで、『Voodoo』はロックの文脈でも捉えられる要素が多いアルバムだから、かなりストライクだったんです。さらにその背後にSoulquariansっていうものがあるとわかった時に、ちょうど現・SIRUPKYOtaro(前名義)や〈Soulflex〉のドラムのRaBと出会いました。この人たちとだったらSoulquariansみたいなことができそうだなと思って始めたのが〈Soulflex〉の始まりですね。

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DIGLE編集部

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