文: 石角友香 編:Miku Jimbo
それぞれシンガーソングライター/ミュージシャンとして異なるジャンルや界隈で活躍するeill(Kb.&Vo.)、Foi(Vo.&Gt.)、Chie(Gt.)、月川玲(Ba.)という幼馴染4人が組んだCHAINZ。女の子が惚れる女性像を作品でもビジュアルでも打ち出した“GIRL CRUSH ROCK BAND”の新しさは、1stシングル「GIG」のSNSを介した登場の仕方然り、オルタナティブなR&Bやロックを昇華した、どこかTHE 1975にも通じるサウンド感など、隅々にこれまでのジャパニーズ・ガールズバンドになかったクールさがある。そんなリアルなアーティストを求めていたリスナーの耳と心にグッと刺さったのは言うまでもない。
ユニークなのはCHIANZがインディーズバンドであるがゆえに、制作やライブの資金をクラウドファンディングで調達し、それらのプランもあくまでもD.I.Y.ということ。バンドをやることの楽しさがつぶさに伝わることも魅力の一つなのだ。そうして制作された1st EP『OGYA』にはモダンなR&BテイストもEDM的なアプローチも、ミクスチャーロックっぽいタフなアンサンブルもあるが、どの曲にも空間系のSEが施され、ミックスで音像を揃えているため、ジャンルが多彩でもバンドのフィロソフィーや時代感にトータリティーがある。本作を携えての6月の1stライブも成功させ、早くもバンドは2ndチャプターに足を踏み入れたと言えそうだ。
1st EP『OGYA』のリリースとライブを経ての4thシングルが今回の「GIRL」。タイトルからしていかにもCHIANZの核心を打ち出してきたのか?と、デバイスをタップする際も期待が止まらない。すると意外なことにこれまで打ち出されていなかったChieのガレージ〜インディポップテイストに溢れるザクザクしたリフが耳に飛び込んでくる。ビートもポストパンク風のタイトで疾走感溢れるテイスト。だがそこはCHIANZのバンドカラーである空間を彩るギターやシンセ、SEが醸し出すキラキラした夏の光を感じさせるレイヤーが曲の明度を決めていく。どうやら男の子目線で書かれた歌詞は二度とない真夏のシーンをいくつも目の前に立ち上げてくれる。あまりにも刹那的な夏の恋は掴む前に消えていくようで、でもよくあるロストラブソングではなく、すべてのシーンがきれいで輝いている。
もしかしたら歌詞の目線は男の子じゃなくてもいいのかもしれない。憧れという気持ちや一瞬にして消えてしまう情景。それを音とBPMに見事に落とし込んだCHIANZの新章。この曲がきれいな輝きを放つのもまた、彼女たちの関係性から生まれているのかもしれない。長すぎた夏をいい思い出にしてくれそうな1曲でもある。
12月には再びワンマンライブも決まり、その前にはSIRUPやBREIMEN、どんぐりず、Billyrromらエッジとニュートラルなマインドを持つなかなか良いメンツのイベント《MIND TRAVEL》への出演も決まっており、さらにCHIANZの存在が広く刺さる機会も増えそうだ。
RELEASE INFORMATION
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CHIANZ 2nd ONE-MAN LIVE「SHIWAS dé ONE MAN SHOW 2024」
2024年12月20日(金)at 東京・渋谷WWW
OPEN 18:00/START 19:00
early Reflection
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