zooが歌声で生み出す、強いシンパシー

Review

文: BIG UP! 

BIG UP! ユーザーの中から、今聴きたいアーティストをピックアップ! 今回はzooをご紹介します。

両面の感情を宿すからこそ

同じような境遇に生まれ育ってきたからこそ、分かち合える感覚というのはおおいに存在する。デートスポットがイオン、生まれたときから受験戦争、早く結婚することが正義。ただの文字列に過ぎないはずの表現が、ときどき抜群の共感性を発揮する。岡山県発のzooもまた、一部に異常なシンパシーを感じさせるバンドだ。

彼女らは、2015年に結成された3ピース。シンプルかつパワフルなギターサウンドをエモーショナルな歌と共に鳴り響かせている。
zooの魅力は、なんといっても一聴すると耳に残る、心をそのまま削ぎ落したような荒々しさの残る歌声だ。透き通るほどの真っ直ぐさを保ちながらも、その声色には迷いや葛藤、苛立ちなど、とげとげしい感情が滲む。ただ綺麗なだけじゃない、ただささくれだってるだけじゃない。両面の感情を宿しているからこそ、嘘っぽくない思いとして響くのである。

先日配信が開始された『フラットな街』は、2017年にリリースされた作品。大人になりきれない藍い時代を濃縮されており、時が経っても瑞々しい。夢への照準が鈍ってしまいそうになったら、ぜひ手を伸ばしてほしい1枚だ。

こんなアーティストが好きな人におすすめ

・Cody・Lee(李)
・レイラ
・Blumepopo
・afloat storage

zoo

提供:BIG UP!zine

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