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文: 富樫ユイ 編:riko ito
アーティストの方に特集テーマに沿った楽曲を紹介してもらうプレイリスト企画。今回は、大胆さと繊細さを兼ね揃えた楽曲と圧倒的なライブパフォーマンスが注目を集める3人組バンド・downtより、富樫ユイが登場。今回の特集テーマ“ROCK for Us ―日々を生き抜くための音楽―”のもと、富樫ユイにとってロックミュージックはどんな存在かということを書いてもらい、特に影響を受けてきた楽曲を集めた全10曲のプレイリストを作ってもらいました。
今回、富樫ユイが制作したプレイリストのタイトルは『Dive into the sound』。プレイリストの中からBig Thief(ビッグ・シーフ)や君島大空、Bon Iver(ボン・イヴェール)、SACOYANSの楽曲をピックアップし、コメント付きで紹介しています。刹那的で感情を揺さぶる楽曲を生み出し、リスナーを虜にする富樫ユイ。そんな彼女が生み出す詩世界やdowntの楽曲との共通点も見出せるラインナップとなっています。(編集部)
PROFILE
downt(ダウント)
2021年結成の3人組ロックバンド。メンバーは左から、河合崇晶(Ba.)、富樫ユイ(Gt. / Vo.)、Tener Ken Robet(Dr)。
2021年10月に1stアルバム『downt』をリリースし、エモ、オルタナのライブハウスシーンにて瞬く間に注目を集める存在に。2022年夏には、初の野外フェスとして<FUJI ROCK FESTIVAL’22>ROOKIE A GO-GOにも出演。大勢のオーディエンスを前に、強く印象づけるライブパフォーマンスで会場を沸かした。2023年には、バンドとしての新機軸となる8分半超の大作「13月」を含む、今年初の新作『III』をリリースした。
Pswingset(アメリカ)、Football, etc.(アメリカ)、soft pine(タイ)、ゲシュタルト乙女(台湾)、Grrrl Gang(インドネシア) をはじめ、海外アーティストとの公演も精力的に行っている。さらに、2024年3月6日には2ndアルバム『Underlight & Aftertime』をリリース。同年3月22日の東京公演を皮切りに同アルバムを携えたリリースツアー<downt Release Show>の開催も予定している。
わたしは幼い頃から人の顔色を窺ってしまう性格で、誰かに言葉を差し出すことはとても勇気のいることでした。
そんなように、日々の生きづらさ、なんてものはきっと誰もが抱えていることでしょう。誰にも言えないこと、違和感、後悔、あの人を傷つけてしまったこと、報われないこと、みんな何かを抱えて、そうやって生きている。
なにもかもが最悪で、消えてしまいたくなったとき、最後に手を伸ばそうと思ったのが音楽でした。ここだったら、わたしはわたしで居られる気がしたのです。わたしをわたしの中で完結させられる気がしたのです。
歩き疲れた先に、最後にわたしが帰りたくなる場所はどこなのだろうか。
そんなことを考えながら選曲させていただきました。わたしはきっと静かな場所が好きなのだろう・・・。
夜が明けるとき、カーテンが薄く色を纏い始める。そんなときに聴きたくなる曲です。潜り込んでいくように入っては、混ざりきらないギリギリのところでずっと漂っていているような感覚。冷たくて心地よい。いつまでもここにいたいのにそうさせてくれずに消えていってしまう儚さを感じます。
このアルバム(『no public sounds』)全般的にそうなのですが、迷子になってしまったとき、なにをするわけでもなくそっと肩に寄り添って側にいてくれるような1曲です。うまくいかずにとても苦しくなってしまった制作時によく聞いていました。いつも勇気をくれます。
愛することや生きることへの力強さを感じます。
この曲を聴いた後はスッと背筋が伸び、火照った身体をどう冷まそうかということをいつも考えてしまいます。
上京してきてすぐに出会った音楽です。バンドをするために、右も左もわからないまま見ず知らずの人と新宿のスタジオに入った帰り道を思い出します。歌詞がすごく好きで、大丈夫、なんとかなるさという気持ちにさせてくれます。
RELEASE INFORMATION
downt 2nd Full Album『Underlight & Aftertime』
2024年3月6日リリース
Label : P-VINE1. underdrive
2. Whale
3. AM4:50
4. prank
5. Yda027
6. 煉獄ex
7. mizu ni naru
8. 8/31(Yda011)
9. 紆余
10. 111511
11. 13月外部リンク
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