韓ドラ好きお馴染みの楽曲揃い。Kロック入門にも適した韓国インディ第1世代Every Single Dayのベスト盤

Review
ポニーキャニオンとDIGLE MAGAZINEが新世代アーティストを発掘・サポートするプロジェクト『early Reflection』より、今おすすめのアーティストをピックアップ!第35回目はEvery Single Dayをご紹介。

韓国のモダンロックバンドで、インディ第1世代にあたるEvery Single Dayが、代表曲をリマスターしたベストアルバム『25th Anniversary Theme songs collection』をリリースした。タイトルからもわかるように、本作に収録された17曲は数々の韓国ドラマを盛り上げた楽曲たちだ。韓国ドラマを見ていると驚かされるのだが、甘いラブストーリーでも、猟奇犯罪ものでも、あるいは徴兵制度にまつわる軍での生活を描いたシリアスなものでも、いわゆるフックが多いキャッチーなポップス以外に、時にシューゲイザーなどの要素を含むインディロックが流れることが意外に多い。これはOST(オリジナル・サウンド・トラック)と呼ばれる韓国ドラマの挿入歌が持つ特徴でもあり、OPやEDテーマに限らず、劇中で効果的に流れる楽曲も多い。Every Single Dayの楽曲も日本では韓ドラで接した人も多いことだろう。

Every Single Dayは1997年に<釜山(プサン)MBC全国ロックフェスティバル>で大賞を受賞し、1999年にアルバム『Broken Street』で公式デビュー。以降、6枚のアルバムと2枚のEPをリリース、ソロツアーやフェスティバル出演など、ライブ活動も精力的に行ってきたバンドだが、世界に広く知られたきっかけはドラマ。衛星放送やサブスクリプションで視聴されることで、楽曲に接する機会が増えたことが挙げられるだろう。

ドラマのテーマに寄り添いつつ音楽的な広いレンジも感じる17曲

本作の楽曲はいずれもドラマと親和性が高いアレンジが施されている。テーマは異なるものの、シンプルで聴きやすいメロディ、Jポップにも通じるAメロ〜Bメロ〜サビという盛り上がりやすい構成、クセのないボーカルという筋が通っている分、ベストアルバムでありつつ、トータルで聴きやすい作品になってもいる。

大ヒットドラマ『君の声が聞こえる』の主題歌「ECHO」は90年代の日本のギターポップバンドを想起させるシンプルな1曲。“心の奥底にある君の声が聞こえる”というストーリーに沿った歌詞や、静謐さと激しさのコントラストが心に残る。また、先天的に怪力を持つヒロインが、変わり者のイケメンCEOと正義感に溢れる幼馴染の刑事と共に繰り広げるラブコメ×サスペンス『力の強い女 ト・ボンスン』の挿入歌「Super Power Girl」は、まさにヒロインのテーマソング。ソリッドな8ビートのマイナーチューンで、いわゆるロックンロールの典型的な痛快さを備えている。

韓ドラ好きにとってはお気に入りのドラマと同じ演出家やキャストの別シリーズで、同じアーティストがOSTを手がけていると気になるものだ。Every Single Dayもしかりで、イタリアンレストランを舞台に新米女性シェフが葛藤する『パスタ〜恋が出来るまで〜』のチームは後に“韓国版ER”とも言われる医療系バディもの『ゴールデンタイム』を制作。この両方のドラマでEvery Single DayはOSTを手がけており、ドラマのテーマの違いも手伝い、異なるバンドの表現が聴き比べてみるのも面白い。『パスタ〜』OST収録曲とは別バージョンの「Lucky Day(With.Ska Wakers)」はモータウンポップ調のビートやホーンアレンジがポジティヴなムード盛り上げる1曲。対して、『ゴールデンタイム』OSTの「Sandglass」はメランコリックなムードを持ちつつ、ハードなサウンドも昇華した、彼らのレパートリーの中でも最もモダンヘヴィロックに近いアプローチを見せ、バンドの音楽的なレンジの広さも味わえる。

韓ドラファンにとってはドラマのストーリーやキャストが思い起こされるアルバムだが、何より親しみやすいKロックの入門編としてこれほど最適な作品集はない。

INFORMATION

ALBUM『25th Anniversary Theme songs collection』

2024年1月17日(水)リリース
〈MEPLUS〉

early Reflection

early Reflectionは、ポニーキャニオンが提供するPR型配信サービス。全世界に楽曲を配信するとともに、ストリーミングサービスのプレイリストへのサブミットや、ラジオ局への音源送付、WEBメディアへのニュースリリースなどのプロモーションもサポート。また、希望するアーティストには著作権の登録や管理も行います。
マンスリーピックアップに選出されたアーティストには、DIGLE MAGAZINEでのインタビューなど独自のプロモーションも実施しています。

▼Official site
https://earlyreflection.com

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Every Single Day(エブリ・シングル・デイ)

韓国・釜山発のモダンロックバンド。1997年に<釜山MBC全国ロックフェスティバル>で大賞を受賞し、1999年にアルバム『Broken Street』で公式デビュー。以後、6枚のアルバムと2枚のEPを発売し、単独コンサートとプロジェクト公演、フェスティバルなどに参加して旺盛に活動している。韓国ドラマ『パスタ 〜恋が出来るまで〜』を皮切りに『君の声が聞こえる』、『キム秘書はいったい、なぜ?』、『キング・ザ・ランド』など多数ドラマの音楽監督を手掛け、OSTアーティストとしての活躍も目立つ。当初は3人組バンドとしてスタートしたが、コロナ渦以後に新体制となり、現在は新メンバーのギタリストと2人組で活動中。
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