UTAKAが寄り添うやわらかな気持ち

Review

文: DIGLE編集部  編:Kou Ishimaru 

BIG UP! ユーザーの中から、今聴きたいアーティストをピックアップ! 今回はUTAKAをご紹介します。

心の奥にするりと届く

歳を重ねていくということは、間違いなく悪いことじゃない。誰もが避けられない自然の理であり、多くの場合、過ごした時間の分だけさまざまな経験や感情も増えていく。
同時に、増えた分だけ埋もれるもの、忘れてしまうものが存在するような気がして、私たちはときおり不安になる。
そんなやわらかな揺らぎを静かに満たすのが、UTAKAの音楽なのだ。

2000年生まれ、東京を拠点に活動するシンガーソングライター/ギタリストであるUTAKA。コロナ禍から活動をスタートして以来、コンスタントな制作・リリースを行っており、最新作『Youth』はキャリア史上2枚目となるEPだ。
センチメンタルなビートと、更なる儚さを加えるギターが骨組みとなって構成されているこの作品。あどけなく透き通った歌声が紡ぐのは、混沌のなかを生きる20代のリアルと、消えゆくものへのノスタルジアである。
逆らう余地もなく流れる日々と、少しずつ遠ざかるあの日。『Youth』というタイトルの作品に収録されたこの歌たちは、そのどちらにもまっすぐな眼差しを向けるUTAKAの祈りのようにも聞こえてくる。

変わること、戻れないこと、そのどちらもを楽しみ、恐れ、愛おしむ。UTAKAの音楽には、きっと誰もが抱えるその揺らぎに寄り添えるぬくもりがある。

UTAKA

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