2024年9月にリリースされたあいみょんメジャー5枚目のフルアルバム「猫にジェラシー」。「会いに行くのに」、「あのね」、「愛の花」などのシングルを含む全13曲を収録。プロフィールやその他アルバム全7作品を紹介します。
あいみょん ファーストフルアルバム『青春のエキサイトメント』
2017年9月13日にリリースされた、あいみょん の記念すべきメジャー1枚目のフルアルバム。既にリリースされていた3つのシングルのタイトル曲「生きていたんだよな」、「愛を伝えたいだとか」、「君はロックを聴かない」や、映画『恋愛奇譚集』主題歌として書き下ろされた「漂白」を含む全11曲を収録。音楽の象徴であるイヤホンの周りに生活を感じさせる食べ物やアイテムを配置し、鮮烈な赤色で染められた印象的なアルバムジャケットは、メジャーのファーストシングルからアートワークを手掛けてきたとんだ林蘭 が制作しました。
アルバムは、今は表舞台に立っていない憧れのアーティストへの思いを歌った「憧れてきたんだ」から始まり ドラマ『吉祥寺だけが住みたい街ですか?』のOP曲でポエトリーリーディングが印象的な「生きてきたんだよな」、“君はロックなんか聴かないと思うけど私はこれで恋を乗り越えてきた”とロックへの思いと恋心を描く「君はロックを聴かない」など、メジャーデビューという節目にして、音楽愛・青春・生きることを存分に歌った金字塔的作品です。
サウンドプロデュースを田中ユウスケ (agehasprings)、関口シンゴ (Ovall )、Michael Kaneko 、Sundayカミデ (天才バンド 、ワンドフルボーイズ )ら豪華ミュージシャンが手掛けたことで、サウンドが大幅にアップグレードされ、前作以上に歌のパワーを感じることができます。
あいみょん セカンドフルアルバム『瞬間的シックスセンス』
2019年2月13日にリリースされたあいみょんメジャー2枚目のフルアルバム。1枚目のアルバムと同様、3枚のタイトルシングル「満月の夜なら」、「マリーゴールド」、「今夜このまま」や、アニメ映画『あした世界が終わるとしても』挿入歌・主題歌の「ら、のはなし」と「あした世界が終わるとしても」などを含む全12曲を収録。『青春のエキサイトメント』とは対照的に、想像力を刺激する爽快な青のジャケットアートワークになっており、こちらもとんだ林蘭 が制作しました。
アルバムは、 “君のアイスクリームが溶けた 口の中でほんのりほどけた”と、官能的なメタファーを歌う「満月の夜なら」で開幕早々あいみょん らしさを顕示。色によって意味が変わる花言葉を持ち、聴く人によっていろいろな捉え方ができるラブソング「マリーゴールド」や、ドラマ『獣になれない私たち』主題歌で、気持ちと行動との間で揺れる葛藤を歌った「今夜このまま」など、大人の恋愛・葛藤・ノスタルジーを瞬間的なインスピレーションで形にした2019年ポップシーンにおける名アルバムです。
サウンドは、インディーズ1枚目と2枚目のミニアルバムの対比と同様に、本作もメジャー1枚目と比べて、電子音や効果的なエフェクトを多用。「二人だけの国」の電子ドラムによる歯切れの良いグルーヴと関口シンゴ (Ovall )によるサーフなギターの絡みや、「GOOD NIGHT BABY」のボーカルエフェクト・ポップなシンセサイザー・耽美的なギターの掛け合いなど、サウンド面も飽きがこない刺激的なものに仕上がっています。
あいみょん サードフルアルバム『おいしいパスタがあると聞いて』
2020年9月9日にリリースされたあいみょんメジャー3枚目のフルアルバム。前作『瞬間的シックスセンス』から約1年7か月ぶりのアルバムで、初週122,708枚を売り上げBillboard Japan Hot Albumsでは初登場2位にランクイン。日本レコード協会よりプラチナ認定を受けました。
収録曲には、映画『クレヨンしんちゃん 新婚旅行ハリケーン 〜失われたひろし〜』主題歌「ハルノヒ」、TBS系火曜ドラマ『Heaven? 〜ご苦楽レストラン〜』主題歌「真夏の夜の匂いがする」、映画『空の青さを知る人よ』主題歌「空の青さを知る人よ」、TBS系火曜ドラマ『私の家政夫ナギサさん』主題歌「裸の心」など既発曲に加え、新曲7曲を含む全12曲がラインナップ。
全曲を通して幅広い編曲が施されており、あいみょん の作品ではお馴染みの田中ユウスケ 、関口シンゴ 、トオミヨウ 、曾田茂一 がアレンジャーとして参加。マーチングのリズムに乗って変わることのない反骨精神を歌った「黄昏にバカ話をしたあの日を思い出す時を」から始まり、”今の時代バラード曲のヒットは難しい”と言われる中シングルとしてリリースし好評となった「裸の心」、部屋で一人口ずさんでいるような鼻歌で終わっていく「そんな風に生きている」はオープニングナンバー同様あいみょんの意思表示が歌われた楽曲となっています。
パンデミックによって世の中が大きな転換期を迎える中にあっても、これまでと変わることなく音楽を作り続けたいというあいみょんの強い思いが込められたアルバムです。
あいみょん 4thフルアルバム『瞳へ落ちるよレコード』
2022年8月17日にリリースされたあいみょんメジャー4枚目のフルアルバム。NHK『あいみょん18祭』テーマソングの「双葉」、カンテレ・フジテレビ系月10ドラマ『恋なんて、本気でやってどうするの?』主題歌「初恋が泣いている」、ABEMA恋愛リアリティーショー『恋とオオカミには騙されない』主題歌「桜が降る夜は」、TBS系火曜ドラマ『婚姻届に判を捺しただけですが』主題歌「ハート」、日本テレビ系 土曜ドラマ『コントが始まる』主題歌「愛を知るまでは」、配信シングル「スーパーガール」といった既発曲に加え、新曲7曲を含む全13曲が収録されています。
メジャーデビューから5年を経て、着実に実力をつけてきたあいみょん だからこそできた遊び心満載の作品となっており、口笛や手拍子、後半のサイケデリックな展開が印象的な「君のこゝろ」、若気の至りがテーマとなっていることからもあえてギターを上手く弾かないようにしたという「神秘の領域へ」、ライブでもお馴染みの「朝ちゃん」こと朝倉真司 によるパーカッションを用いた「ペルソナの記憶」など楽しんでレコーディングに臨んだことが伝わってきます。
これまでのアルバムでは変化球的なラストナンバーが印象的でしたが、今作では〈今日も明日も生きて行こう〉という前向きなメッセージが綴られる「愛を知るまでは」で締めくくられ、アルバムのエンディングを飾るだけでなく、この5年の活動の中で生まれた様々な想いを噛みしめながら、これからも続く人生に向けてあいみょん自身とリスナーの双方を鼓舞するようなムードが感じられます。
あいみょん 5thフルアルバム『猫にジェラシー』
2024年9月11日にリリースされたあいみょんメジャー5枚目のフルアルバム。カンテレ・フジテレビ系月10ドラマ『アンメット -ある脳外科医の日記-』主題歌「会いに行くのに」、映画『窓ぎわのトットちゃん』主題歌「あのね」、資生堂「SHISEIDO BEAUTY WELLNESS」オフィシャルソング「リズム64」、読売テレビ・日本テレビ系日曜ドラマ『降り積もれ孤独な死よ』主題歌「ざらめ」、NHK連続テレビ小説『らんまん』主題歌「愛の花」、配信シングル「ノット・オーケー」といった既発曲に加え、新曲8曲を加えた全13曲が収録されています。
今作で初お披露目となる楽曲では、あいみょんらしい表現で男女の関係性を描く「炎曜日」「偽物」「朝が嫌い」が中盤に並ぶ中、もともと2016年に書かれたという「駅前喫茶ポプラ」では可愛らしい男女のやり取りが描かれ、過去に「ふたりの世界」なども手掛けたSundayカミデ によるアレンジも手伝って初期からのファンにはたまらない仕上がりとなっています。
2025年3月に30歳の誕生日を迎えるあいみょんにとって20代最後のアルバムでもあり、コロナ禍を経てかつての日常を取り戻した2年間の充実した活動の記録とも呼べる作品となっています。