Apple Music Voiceプランは、2021年の秋に発表されたApple Musicの新しい料金プランです。
Apple製品に搭載されている音声アシスタントのSiriに聴きたい音楽を話しかけるだけでApple Musicで配信されている1億曲が聴き放題のプランとなっています。
今回はApple Music Voiceと他の料金プランとの違いや始め方、Voiceを使ってできることなどをご紹介します。
Apple Music Voiceプランは2023年11月をもって提供終了
2023年11月をもって、Apple Music Voiceプランは新規登録の受付を終了しました。そのため、新規でApple Musicに登録する場合、Voiceプランを選択することはできません。
既存のVoiceプラン契約者は、最終請求日前に通知が届き、サブスクリプションの自動更新はオフ(解約)となります。最終請求日まではVoiceプランを利用することが可能です。
引き続きApple Musicを利用したい場合は、Apple Musicの別のプラン(個人/学生/ファミリー)、もしくはApple Oneにプラン変更する必要があります。他プランでもSiriを使った音声コントロールは可能です。
なお、プラン変更の手順は下記の通りです。
[1] iPhoneやiPadで「設定」を開きます。
[2] 「Apple ID、iCloud、メディア購入」をタップします。
[3] 「サブスクリプション」を選択します。
[4] Apple Musicの「すべてのプランを表示」を選択します。
[5] 「個人(月額¥1,080)」「個人(年額¥10,800)」「ファミリー(月額¥1,680)」「学生(月額¥580)」のいずれかを選択し、画面の案内にそって変更手続きを完了させます。
以上で、Apple Music Voiceプランから他プランへの変更は完了です。
Apple Music Voiceプランとは?
Apple Music Voiceプランとは、1億曲以上が定額で聴き放題の定額制音楽ストリーミングサービス・Apple Musicで新しく選べるようになったSiriとの連携型プランです。
Apple Musicのアプリで操作する代わりにApple製のデバイスで使える音声アシスタントサービスのSiriを通して「Hey Siri、〜を流して」と話しかけるだけで、すぐにお気に入りの楽曲やプレイリストを流すことができます。
Apple Musicの個人プランが月額1,080円なのに対し、Voiceプランはお手頃価格の月額480円で利用できるため、気軽に始められるのが魅力の一つとなっています。
Apple Musicの他のプランとの比較
Apple MusicにはVoiceプランの他に、通常の個人プラン、学割プラン、ファミリープランが存在します。それぞれのプランの項目別の比較は以下の表の通りです。
Apple Music プラン | Voiceプラン | 個人/学生プラン | ファミリープラン |
月額料金 | 480円 | 1,080円(個人) 580円(学生) | 1,680円 |
楽曲数 | 1億曲以上 | 1億曲以上 | 1億曲以上 |
プレイリスト作成 | ✕ | ◯ | ◯ |
ロスレス・空間オーディオ | ✕ | ◯ | ◯ |
歌詞表示 | ✕ | ◯ | ◯ |
ダウンロード | ✕ | ◯ | ◯ |
ミュージックビデオの再生 | ✕ | ◯ | ◯ |
広告の有無 | なし | なし | なし |
利用可能人数 | 1人 | 1人 | 6人まで |
Voiceプランでは、Apple Musicで配信されているすべての楽曲の再生は可能ですが、いくつかの機能に制限があります。
iPhoneやiPadなどデバイスの画面を使わないとできない操作(プレイリストの作成、歌詞表示、ミュージックビデオの再生など)や、高音質のロスレス・空間オーディオの再生、デバイスに楽曲をダウンロードすることができない仕様です。
そのため、学生の方は月額480円で利用するなら若干高い学生プランを登録したほうがお得であると言えます。また、Siriを使って操作するため、通勤・通学中に音楽を聴きたいという方にはあまり向いていません。
VoiceプランはiPhoneやiPad、HomePod mini、CarPlayなどSiri搭載のApple製デバイスをお持ちの方で、自宅で手軽に音楽を楽しみたいという方にはぴったりのプランです。
Apple Music Voiceプランのメリット・デメリットは?
Apple Music Voiceプランのメリットとしては以下のようなことが挙げられます。
- 月額480円で1億曲以上が聴き放題
- 音声(Siri)で簡単に操作できる
- Siriが好みに合った曲をセレクトしてくれる
一方で、Apple Music Voiceプランには以下のようなデメリットもあります。
- 画面を通した操作ができない
- 歌詞を見ることができない
- ロスレス・空間オーディオでの再生ができない
- オフライン再生・プレイリスト作成ができない
- Androidデバイスでは利用できない
月額ワンコイン以下で1億曲以上が聴き放題になり、音声アシスタントのSiriで簡単に操作ができるという点がVoiceプランの最大のメリットです。
一方で、デバイスの画面を通した操作が一切できない点が人によっては不便に感じてしまう可能性があります。
Apple Music Voiceプランでできること
Apple Music Voiceプランでできることは、基本的にSiriに聴きたい音楽を話しかけてリクエストするだけです。
自分でデバイスの画面を見て操作する必要が全くないのでとても簡単で、聴きたいと思ったときにすぐに音楽を楽しむことができます。
お気に入りの楽曲やアルバムを再生する
Apple Music Voiceで聴きたい音楽を指定して再生するには、「Hey Siri、◯◯(アーティスト名)の△△(楽曲名/アルバム名)をかけて」や「Hey Siri、◯◯(アーティスト名)の新しいアルバムをかけて」のように話しかけます。
好みのジャンルをランダムで流す
特定の楽曲やアルバムではなく、年代別ヒット曲やジャンルを指定してランダムで指示に合った楽曲を流す機能もあります。
この場合は、「Hey Siri、90年代のロックを再生して」や「Hey Siri、80年代のシティポップを流して」のように流してほしいジャンルや年代を指定して話しかけましょう。
雰囲気やムードに合ったプレイリストを流す
その時の場の雰囲気や気分に合った楽曲をSiri側で選んで再生することも可能です。
「Hey Siri、ランニング中にぴったりの曲をかけて」や「Hey Siri、リラックスできる音楽をかけて」というようなあいまいなリクエストでも自動で選曲してくれます。
もし再生された楽曲の中で気になった曲があれば、「Hey Siri、この曲を歌っているのは誰?」や「Hey Siri、この曲の名前は?」と質問するとSiriが答えてくれるので便利です。
自分好みの楽曲を選曲してくれる
Apple Musicで楽曲を聴けば聴くほどSiriが自分の好みの楽曲のテイストを学習してくれるので、「Hey Siri、私のステーションを再生」や「Hey Siri、私の好きな音楽をかけて」と話しかけると自分の気に入りそうな雰囲気の楽曲を選んで流してくれます。
また、「Hey Siri、この曲は好き/好きじゃない」と楽曲の評価も伝えることができます。
再生中の楽曲をコントロールする
一時停止やスキップなどの楽曲のコントロールもSiriを通じて行うことができます。
「Hey Siri、一時停止」
「Hey Siri、この曲をスキップして」
「Hey Siri、この曲をリピート」
「Hey Siri、音量を上げて」
というように音声ですべてコントロールできるので、家事の最中や車の運転中など手がふさがっているときでも簡単に操作が可能です。
Apple Music Voiceプランではできないこと
残念ながらApple Music Voiceプランには通常の個人プランやファミリープランよりも若干の制限があります。
Apple Musicアプリを通した操作
Voiceプランは音声コントロールのみ可能なので、iPhoneやiPadの画面でUIを通した操作ができません。楽曲を再生したり停止したい場合はSiriに話しかけましょう。
プレイリストの作成
VoiceプランではSiriに話しかけたとしても自分でプレイリストを作成することができません。プレイリストはあらかじめApple Music側で用意されているもののみ再生可能です。
オフライン再生
Voiceプランでは楽曲をデバイスにダウンロードしてオフライン再生することができません。
そのため、自宅でWi-Fi環境のもと音楽を聴くのには向いていますが、外出先でモバイルデータ通信を使ってストリーミング再生するのには向いていないと言えるでしょう。
歌詞表示機能
VoiceプランはUIを介さないので、歌詞を見ながら音楽を聴くことができません。歌詞を表示させたい場合は個人プランなどにアップグレードする必要があります。
ロスレス・空間オーディオの再生
Apple Musicでは多くの楽曲がロスレスオーディオや空間オーディオで配信されていますが、Voiceプランではロスレスオーディオや空間オーディオの再生ができません。
Apple Music Voiceプランはどんな人におすすめできる?
自宅で音楽を聴く人
Apple Music Voiceプランは家の中で音楽を聴くことが中心の方におすすめです。
外だとなかなか「Hey Siri」と話しかけるのは抵抗がある方も少なくないと思いますが、自宅なら気軽に声をかけることができます。
家事の最中やバスタイムなど画面が操作できない時でも音声だけで反応してくれるのでとても便利です。
HomePod、CarPlayを利用している人
AppleのスマートスピーカーのHomePodや、iPhoneと連携できる車載システムのCarPlayを持っている人にもVoiceプランはおすすめです。
HomePod本体にSiriが搭載されているので、Voiceプランを利用すればiPhoneやiPadを接続しなくても単体でApple Musicの音楽が聴けるようになります。
また、CarPlayを搭載している車なら運転中で手が離せない時でもApple Musicを操作できるのでドライブ中のBGMも簡単に流すことができます。
Apple Music Voiceプランが使えるようにSiriをオンにする手順
Apple Music Voiceプランの無料トライアルを始める前に、iPhoneのSiriをオンにしておきましょう。
[1] 「設定」アプリを開きます。
[2] 「Siriと検索」を選択します。
[3] 「”Hey Siri”を聞き取る」をオンにするとiPhoneでSiriが使えるようになります。
Apple Music Voiceプランの始め方
ここではApple Music Voiceプランに登録する方法をご紹介します。
登録の手順は以下の通りです。
[1] Siriに向かって「Hey Siri、Apple Music Voiceを開始」と話しかける
[2] Apple Music Voiceの7日間無料体験が始まる
登録はこれだけで完了です。Apple Music Voiceプランの7日間の無料体験期間中に決済方法を登録するとさらに1ヶ月間無料で利用できます。
Apple Music Voiceプランは2021年12月13日から提供しているiOS15.2から利用できるようになっているので、登録できないという方は、お使いのOSが最新のものにアップデートされているか一度確認しましょう。
もちろんApple公式サイトからの登録も可能なので、その際は以下のボタンから手続きを行ってください。
Apple Music Voiceプランで音楽を再生する方法
Apple Music Voiceプランで音楽を再生するには、Siriに下記のようなコマンドを話しかけるか、リクエストをSiriにタイプ入力します。
リクエスト内容 | コマンド例 |
曲、アルバム、アーティストを再生する | 「Hey Siri、<アーティスト名>の<曲名>をかけて」 「Hey Siri、<アーティスト名>のトップソングを再生して」 「Hey Siri、<アーティスト名>の新しいアルバムをかけて」 |
年代やジャンルからヒット曲を再生する | 「Hey Siri、90年代のヒップホップを再生して」 「Hey Siri、今年のヒット曲を再生して」 「Hey Siri、80年代のロックを再生して」 |
気分やアクティビティに合った音楽を再生する | 「Hey Siri、落ち着いた曲をかけて」 「Hey Siri、雨の日にぴったりの曲をかけて」 「Hey Siri、ワークアウト用の曲を再生して」 「Hey Siri、ディナーパーティの音楽をかけて」 |
再生中の曲を調べる | 「Hey Siri、この曲を歌っているのは誰?」 「Hey Siri、どのアルバムの曲?」 「Hey Siri、この曲の名前は?」 「Hey Siri、この曲はいつリリースされたの?」 |
ライブラジオやオンデマンドラジオを聴く | 「Hey Siri、Z100をかけて」 「Hey Siri、Apple Music 1をかけて」 「Hey Siri、Rap Life Radioの最新エピソードを再生して」 |
再生中の曲をコントロールする | 「Hey Siri、一時停止」 「Hey Siri、この曲をスキップして」 「Hey Siri、この曲をリピート」 「Hey Siri、音量を上げて」 |
自分好みの曲を聴く | 「Hey Siri、私の好きな音楽をかけて」 「Hey Siri、お気に入りのミックスをかけて」 「Hey Siri、私のステーションを再生」 |
再生中の曲の好みを伝える | 「Hey Siri、これに似た曲をもっとかけて」 「Hey Siri、この曲は好き」 「Hey Siri、この曲は好きじゃない」 |
なお、曲やアーティストはApple Musicアプリの検索を使って探すことができますが、再生する際はSiriにリクエストする必要があります。
Apple Music Voiceプランが利用できるデバイス
Apple Music VoiceプランはSiriに対応しているデバイスであればどれでも使うことができます。Siri対応のデバイスには以下のようなものがあります。
・HomePod mini
・AirPods
・CarPlay
・iPhone
・iPad
・Apple Watch
・Apple TV
・Mac
Apple Music Voiceプランの類似サービス
Apple Music Voiceプランによく似たサービスとしてAmazon Musicのワンデバイスプランがあります。
ワンデバイスプランは音声アシスタントのAlexaを使ってAmazon Musicをコントロールするプランです。
この2つのプランの違いについて表で比較してみましょう。
プラン名 | Apple Music Voiceプラン | Amazon Music ワンデバイスプラン |
音声アシスタント | Siri | Alexa |
月額料金 | 480円 | 480円 |
楽曲数 | 1億曲以上 | 1億曲以上 |
プレイリスト作成 | ✕ | ◯ |
利用可能デバイス | 1台のApple製品全般 | 1台のAmazon EchoもしくはFire TV端末 |
月額料金だけで見るとVoiceプランもワンデバイスプランも同等の料金ですが、利用できるデバイスの幅広さからいうとVoiceプランの方が使い勝手が良いといえます。
Apple Music Voiceプランでできること|まとめ
Apple Musicで聴くことができる1億曲以上が月額480円というお得な値段で聴き放題のVoiceプラン。
歌詞表示やダウンロードができないなど個人プランと比べて若干の制約はありますが、Apple製デバイスに対応している音声アシスタントのSiriを通してハンズフリーで操作できるので気楽に音楽を楽しむことができます。
自宅のリビングで音楽をBGMとして流したいという方や、ドライブ中に音楽をかけたいという方にはApple Music Voiceプランはおすすめです。