この記事のポイント①:Apple Musicのロスレスオーディオについて徹底解説
ロスレスオーディオ対応曲はCDよりも良い音質で聴くことができます。
この記事のポイント②:ロスレスオーディオでApple Musicの音楽を聴く方法をご紹介
ロスレスオーディオをオンにする手順や対応デバイス、アクセサリを紹介しています。
この記事のポイント③:ロスレスオーディオの注意点も解説
ロスレスオーディオは標準音質よりもデータ量が大きいのでWi-Fi環境で再生することをおすすめします。
ロスレスオーディオとは?
ロスレスオーディオは、一言でまとめるとCD以上の音質で音楽を聴くことができる機能です。”ロスレス”とは、ロス(損失)が無いという意味で、スタジオで録音されたオリジナルデータとほぼ変わらない音質を再現できます。 今まで音楽配信サービスの多くは、スマートフォンで楽しむ事を考慮し、データを圧縮することで通信量を抑えていました。
圧縮すると同時に、オリジナルの音源からは音質が落ちてしまいます。しかし今回Apple Musicでスタートしたロスレスオーディオは、Appleが独自に開発したALAC(Apple Lossless Audio Codec)というフォーマットよりオリジナルのデータに戻す事ができる圧縮を実現することができました。これによって以前よりも、高音質で音楽を楽しめるというわけです。
Apple Musicに登録済みであれば、追加料金なしで良質な音を聴くことができる新機能となっています。
ロスレスとハイレゾの違い
ロスレスオーディオには2種類の音質があります。 「ロスレス」と「ハイレゾロスレス」です。「ロスレス」は最大24bit/48kHzまで、「ハイレゾロスレス」は最大24bit/192kHzまでとなっており「ハイレゾロスレス」の方がより高音質です。 ただし、データ量が大きく通信量や容量に影響があったり、再生できるデバイスも限りがあるためご注意ください。
対応デバイス・アクセサリ
ロスレスオーディオには対応しているデバイス・アクセサリと対応していないデバイス・アクセサリがあります。 特にBluetoothに接続するタイプのアクセサリには対応していないため、よくご確認ください。
ロスレス対応デバイス・アクセサリ
・iPhone内蔵スピーカー ・iPad内蔵スピーカー ・Mac内蔵スピーカー ・Apple TV内蔵スピーカー ・android内蔵スピーカー ・EarPods with Lightning Connector ・Lightning – 3.5 mmヘッドフォンジャックアダプタ ・EarPods with 3.5 mm Headphone Plug ・Belkin Lightning Audio + Charge Rockstar ・有線イヤホン、ヘッドフォン ・DAC
DACとは?
DAC(DAコンバータ)とは、スマホやPCから楽曲などを再生する時に送られるデジタル音声信号をアナログ音声信号に変換する事のできる機器です。実はイヤホンやスピーカーから音を出す為にはアナログ音声信号を入力する必要があります。スマホやPCの中にもDACは内蔵されているもののあまり音質は良くありません。
そんな時にオススメなのがハイレゾにも対応しているUSB DACです。こちらをPC、スマホとイヤフォン、スピーカーなどの間に接続すると通常より高音質で楽曲を楽しむ事ができます。
手で持ち歩けるサイズから大きいサイズまで様々なタイプのUSB DACがあるので、もし利用する方は自身の聴き方に合ったものを購入してみてはいかがでしょうか。
ロスレス非対応デバイス・アクセサリ
・AirPods ・AirPods Pro ・AirPods Max ・HomePod(今後のアップデートにより対応予定) ・HomePod mini(今後のアップデートにより対応予定) ・その他Bluetooth接続アクセサリ
ロスレスオーディオに設定する方法
ここではiPhoneでロスレスオーディオに設定をする方法についてご説明いたします。
ロスレスオーディオはiOS14.6 以降で使用する事が可能なのでまずiOSが最新にアップデートされているか確認しましょう。 確認方法は簡単で、iPhoneのホーム画面から「設定」を開く→「一般」を選択。→「ソフトウェア・アップデート」を選択。これだけで現在のiOSとアップデートを行う事が可能です。
それではここからロスレスの設定方法をご説明します。まずiPhoneのホーム画面から「設定」を開きます。
上にスクロールしていくと表示される「ミュージック」をタップ。
「オーディオの品質」をタップ。
「ロスレスオーディオ」をオンにします。
以上の設定でロスレスオーディオを楽しむことができます。 ただ、下に表示される「モバイル通信ストリーミング」「Wi-Fiストリーミング」「ダウンロード」についても一つずつ設定をする必要があります。
モバイル通信ストリーミング
スマホのデータ通信を使用する際はこちらで音質を設定します。5段階から選択することができますが、高音質になればなるほどデータ量が大きくなるため、多くの通信量を消費することになります。 モバイル通信ストリーミングで「ロスレス」や「ハイレゾロスレス」を選択する場合は、データ通信のプランをよくご確認の上、設定するようにしましょう。「高効率」を選ぶと最低限の音質で音楽を聴くことができますが、「なし」を選ぶとダウンロードした楽曲以外は再生できなくなるのでご注意ください。
Wi-Fiストリーミング
Wi-Fi接続時の音質設定はこちらで行います。Wi-Fi接続時にはデータ通信量は気にする必要がないため、「ロスレス」や「ハイレゾロスレス」等、お好きな設定をお選び頂けます。ただ、Wi-Fiが従量課金で使い放題でない場合には、注意が必要です。
ダウンロード
Apple Musicでダウンロードした楽曲の音質設定はこちらでできます。楽曲ダウンロードする際は、データ通信を使うため、なるべくWi-Fiの接続時に行いましょう。「ロスレス」や「ハイレゾロスレス」の設定でダウンロードした楽曲はデータ量が大きいため、iPhoneの容量にもご注意ください。
ロスレスでApple Musicの楽曲を聴く方法
次にロスレスで音楽を聴く方法についてご説明いたします。上記でもご説明した通り、対応アクセサリをよくご確認ください。
DACを利用する
DACとは「Digital Analog Converter」の略で、デジタルからアナログへの変換を担う接続機器です。これを繋ぐことでロスレスオーディオを最大限楽しむことが可能になります。必要となるのは「DAC」と「DACをiPhoneなどに接続するためのアダプタ」です。アダプタを使わずに接続できるDACもありますが、純正のアダプタでは「Lightning – USBカメラアダプタ」と「Lightning – USB 3カメラアダプタ」が発売されています。最大192kHz/24bitまで対応しているDACを購入することで、「ハイレゾロスレス」にも対応することができます。
iPhoneやMacなどの内蔵スピーカーで再生する
内蔵スピーカーで再生することで、高音質で音楽を再生することができます。 MacのスピーカーはiPhoneより高音質となっています。Macのスピーカーは設定をすることで最大で、24bit/96kHzにまで対応しています。
残念ながら「ハイレゾロスレス」には対応できませんが、「ロスレス」の設定では24bit/48kHzなので、再生することが可能です。
Mac内蔵スピーカー設定方法
Macの内蔵スピーカーでロスレスオーディオを楽しむには設定が必要なのでこれから設定方法をご説明します。 まず「Audio MIDI設定」を開きます。
Macのスピーカーを選択して「96,000Hz」に変換。
これでロスレスオーディオで聴くことができるようになります。
有線のイヤホンを使用する
有線のイヤホンやヘッドホンを使用することもできます。こちらも「ハイレゾロスレス」には対応できませんが、「ロスレス」で再生することは可能です。 Bluetooth接続を利用したイヤホンやヘッドフォンには対応していないため、ご注意ください。
ロスレスオーディオを使用する際の注意点
対応デバイス・アクセサリを確認
ロスレスオーディオは、対応するデバイス・アクセサリでないと高音質で再生することはできません。Appleの純正製品であってもAirPodsやAirPods Pro、AirPods Maxでは、ロスレスオーディオで聴くことができないためご注意ください。(2021.10.8現在)
OSのアップデート
ロスレスオーディオで聴くためにはOSを確認する必要があります。 iPhoneの場合はiOS14.6以降、iPadの場合はiPadOS14.6以降、Macの場合はmacOS11.4以降にアップデートする必要があります。
楽曲の再生時のみに対応
ロスレスオーディオで再生できるのは、楽曲のみとなっています。ブロードキャストラジオ、Apple Music 1、Apple Music Hitsなどのライブラジオやオンデマンドコンテンツ、ミュージックビデオについてはロスレスオーディオに対応していません。
モバイル通信ストリーミングやダウンロード時の通信量
ロスレスオーディオは大きく通信量を使用するため、利用時にはご注意ください。また、ロスレスでダウンロードを行う際には、スマホの容量も確認するようにしましょう。
最後に
ここまで、Apple Musicのロスレスオーディオについて設定方法や注意点などを解説してきました。 Apple Musicの会員であれば、追加料金なしで高音質を楽しむことができます。
本記事を参考に、是非ロスレスオーディオの設定をしてみてはいかがでしょうか。