向井太一が今伝えたいリアル。最新作『PURE』と2018年の自身の変化について|新作『PURE』インタビュー前編

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前作『BLUE』から1年、数々のアーティストとの楽曲制作や、数多のライブ出演など常にシーンの前線で精力的に活動してきた向井太一。そんな彼が満を持して新アルバム『PURE』をリリースする。18年の音楽シーンを語る上で欠かせない人物となった彼が放つ新作は一体どういった意図で作られたのか、新作についてのインタビューと合わせて2018年の自身の活動の振り返り、そして自身の今年のベストトラックまで話を聞かせてもらいました。前半と後半に分けてお届けします。

「自己」を表現することより「他者」に伝えることにシフトした

ーまず新作である『PURE』についてお話を聞けたらと思います。アルバムタイトルのPUREというワードはどういったコンセプトから生まれたんでしょうか。

向井:

僕は毎回フルアルバムだけCDで形に残していて、他はデジタルリリースなんです。なのでアルバムのリリースがアーティストとしての1つのターニングポイントみたいな感じがしていて、その時々の自分がシンガーとしてどうありたくて、今後どうしていきたいかを見つめ直す機会になっているんですよ。

『BLUE』からなんですが、今までは自分がやりたい事や歌いたい事など、自分の事をただ歌いたい欲が強かったんですが、ライブや音楽活動をしていく中で、徐々に誰かに対して歌っているんだといった意識がすごく強くなっていったんですよね。

そこから自分の今伝えたいことだったりとか、今どういう音楽をやりたいかをよく考えて制作するように変化していったんです。だから今回はアーティストとして、より自分の「今」をリアルに歌おうと思って、そういう意味でも『PURE』っていうアルバムタイトルになりました。

歌詞も全部自分の実体験からできたものですし、今まで感じた事や今聴いてくれてる人達に伝えたいことを、そのまま歌詞にしているんです。純粋に歌い手として誰かに対して歌っている人であるということを、自分に対しても再認識するような、そんな1枚にしようと思ってこのコンセプトをつけました。

ー『BLUE』の時のインタビューでは、『自分』を表現することに対しての強い意志が感じられたんですけど、次作の『LOVE』では他者に対する愛や感謝を伝える方向にシフトしていました。その考えの移り変わりはどういう変化で起きたと感じていますか?

向井:

作品制作からっていうよりは、ライブが目に見えて人がどんどん増えていったことだったり、ファンの皆さんからSNSや手紙を通して、自分が意図していなかった曲でも「元気になりました」とか声をもらってたりする中で、自分の事を歌っているのに別の人が元気になるってことに対して、これが表現者としてやるべき事なんだと感じ始めたんです。それから外に向けて今自分が何を歌いたいかを意識することが多くなったと思います。だからファンの皆さんの存在は大きいですね。
次ページ:過去から憧れ続けた存在との共演

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1992 年3 月13 日、福岡生まれ、A 型。シンガーソングライター。

幼少期より家族の影響でブラックミュージックを聴き育つ。その後、地元の音楽高校へ進み、卒業後、2010 年に上京。ジャズとファンクをベースとしたバンドにボーカルとして加入し、東京都内を中心にライブ活動を経て、2013 年より柔軟に音楽の幅を広げる為、ソロ活動をスタート。

ファッション誌のウェブサイトでのコラム執筆やモデルなど、音楽以外でも活動の場を広げる。2016 年3 月、1st EP「POOL」をリリースし、発売日に即完。自身のルーツであるブラックミュージックをベースに、エレクトロニカ、アンビエント、オルタナティヴなどジャンルを超えた楽曲、そして「日本人特有の言葉選び、空間を意識した音作り」で常に進化を続ける新境地を見事に提示し、各媒体・リスナーから高い支持を得る。2016 年4 月、さらにアクティブで自由な制作活動を行うべくインターネットに表現したい音楽をタイムラグなく継続的にアップ。そのオントレンドで自己発信型な音楽活動が目に留まり、TOY’ S FACTORY / MIYA TERRACE とマネンジメント契約し、2016 年11 月には2nd EP「24」をリリース。

2017 年11 月に1st AL「BLUE」をリリース。収録曲の" 空 feat.SALU" は全国ラジオエアモニチャートの総合で一度、邦楽部門で3 週連続の1 位を獲得。さらに、2018 年1 月に東京と大阪で開催された初のツアー"BLUE TOUR 2018”は即日完売。

配信EP「LOVE」を今年6 月27 日にリリースし、8 月に行った全国ツアーもチケットは全公演即完。勢いそのままに11 月には新作「PURE」のリリースを発表。今作を引っさげたツアーも年末から2019 年年明けにかけ、規模を拡大し開催決定。

ライブ活動をメインにジャンル問わず様々な仲間と繋がり継続的にシーンを構築。ハイブリッドなアーティストとして、更なるステータスを目指す為、アグレッシブに活動している。
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