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2024.03.21更新

おすすめ無料音楽作成ソフト&サイト10選  選び方のポイントや楽曲配信方法も解説

無料で利用できる音楽作成ソフト(DAW)と、ソフトのインストール不要でブラウザから利用できる音楽作成サイトをご紹介。選び方のポイントやそれぞれのサービスのメリットなどご紹介しているので、是非楽曲制作を始めたい方は参考にしてみて下さい。

音楽を作るにはデジタル・オーディオ・ワークステーション(DAW)と呼ばれるソフトをパソコンにインストールする必要があります。
DAWには無料で提供されているものも多くあり、お金をかけずに気軽に楽曲制作を始めることが可能です。

本記事では「無料で音楽を作りたい」という方に向けて無料音楽作成ソフト(DAW)と無料音楽作成サイトを合わせて10個厳選してご紹介します。
また、無料音楽作成ソフトを選ぶポイントや、作った音楽を配信する方法まで解説しますので作曲を始めてみたい方はぜひ参考にしてください。

無料音楽作成ソフト(DAW)一覧

まず初めに、本記事でご紹介する無料音楽作成ソフト(DAW)の概要を以下の表で比較してみましょう。

音楽作成ソフト(DAW)料金対応OSトラック数対応プラグインエフェクト音源ループ/サンプル
GarageBand無料・iOS14以降
・macOS 11.5以降
32トラックまでAudio Unitsありあり
Cakewalk by
BandLab
無料Windows 8.1以降無制限・VST
・VST3
ありあり
Audacity無料・Windows7以降
・macOS10.13 High Sierra以降
・Linux
無制限VSTありなし
Waveform
Free
無料・macOS 10.11以降
・Windows 8以降
無制限・VST
・VST3
・Audio Units
ありなし
SoundBridge無料・Windows 7以降
・OS X El Capitan 10.11以降
無制限VSTありなし

いずれの音楽作成ソフトも期限なくずっと無料で使い続けることができます。

音楽作成ソフトには無料でも音楽を作るための便利な機能がいくつか搭載されており、ソフトによって対応OSや利用可能なトラック数、対応プラグイン、エフェクトや音源ループ、サンプルの有無が異なります。

無料音楽作成ソフトで利用できるこれらの機能についてはこれから選び方と共に詳しく解説していきます。

無料音楽作成ソフト(DAW)の選び方

無料で使える音楽作成ソフトといっても近年は多くのメーカーが提供しているため、初めて音楽を作り始める方にとってはどれを選んだらいいのか迷ってしまうと思います。

ここでは、無料音楽作成ソフトを選ぶ際に注目したいポイントについてご説明します。結論から述べると、選び方のポイントは以下の4点です。

・使用しているPC
・トラック数
・プラグインに対応しているか
・音源ループ、サンプル、エフェクトの数

では、それぞれのポイントについて詳細を解説します。

使用しているPC

音楽作成ソフトによって対応しているOSが異なります。GarageBandのようにiOS製品やMacでのみ利用可能なソフトもあれば、WindowsとMac両方に対応しているソフトもあります。そのため、まずはご自身の使用しているPCのOSに合った音楽作成ソフトを選択しましょう。

音楽作成ソフトによってはOSのバージョンが古すぎると上手く動作しない可能性もあるため、あらかじめOSは最新バージョンにアップデートしておくことをおすすめします。

また、楽曲制作はPCにかなり負荷がかかる作業なのである程度のスペックとストレージが必要です。
PCのスペックが十分でない場合は、必要最低限の機能のみで比較的動作が軽い無料音楽作成ソフトを選ぶと良いでしょう。

トラック数

次に無料音楽作成ソフトを選ぶ上で重要なのがプロジェクトに追加できるトラック数です。「トラック」とは、シンセサイザーやドラムなど各楽器の音色を分けたチャンネルのことを指します。

音楽作成ソフト(DAW)ではこの「トラック」を重ねていって一つの楽曲を作り、トラックごとにエフェクトやボリューム、パン(音の定位)を変えることが可能です。

有料の音楽作成ソフトの場合追加できるトラック数は無制限であることが多いですが、無料ソフトの場合はトラック数に上限が設けられているものもあります。

「たくさんの楽器の音色を使って音楽を作りたい」という場合はなるべくトラック数が多い音楽作成ソフト、もしくはトラック数が無制限のソフトを選びましょう。

プラグインに対応しているか

音楽作成ソフト(DAW)におけるプラグインとは、各トラックに追加するエフェクトやソフトウェア音源のことです。
プラグインを追加することによって、楽曲に合った音作りをしたり楽器の音色を整えたりしていくことができます。

音楽作成ソフトに最初からインストールされているプラグインを使用することもできますし、外部で入手したプラグインをあとから追加することも可能です。無料の音楽作成ソフトでも、このプラグインを使うことができるものが多くあります。

ただし、外部のプラグインを使用する場合はプラグインの規格に注意が必要です。
現在多くの音楽作成ソフトで採用されているのは「VST」「Audio Units」「AAX」の3種類で、ソフトによって対応している規格が異なります。

例えば、Audio Unitsのプラグインに対応しているGarageBandという無料音楽作成ソフトではVSTプラグインを使用することはできません。
使いたいプラグインがある場合は、そのプラグインの規格が利用できる音楽作成ソフトを選ぶことをおすすめします。

音源ループ、サンプル、エフェクトの数

無料音楽作成ソフトによってはエフェクトや音源ループ、サンプルなど楽曲を作るにあたって便利な機能が搭載されていることがあります。

エフェクトとは、楽器の音色に様々な効果や装飾を加えることができる機能のことです。
例えばディストーションと呼ばれるエフェクトを使用すると、音を歪ませることができますし、リバーブというエフェクトを使用すると音に残響効果が生まれます。
無料音楽作成ソフトを選ぶ際にはどのようなエフェクトが内蔵されているのかにも注目してみましょう。

また、音源ループやサンプルとは著作権フリーの短いフレーズ音源のことで、自分で一からメロディを作ったりビートを組み立てたりしなくてもそのまま楽曲内で使用することができます。
無料音楽作成ソフトの中にはこの音源ループやサンプルが豊富に用意されているものもありますので、使ってみたい方はこれらの音源があるソフトを選択するのも一つの手です。

無料音楽作成ソフト(DAW)おすすめランキング

では、ここからはおすすめの無料音楽作成ソフト(DAW)を5つ選んでランキング形式でご紹介します。

1位:GarageBand

料金無料
対応OS・iOS14以降
・macOS11.5以降
トラック数32トラックまで
対応プラグインAudio Units
エフェクト・コンプレッサー
・ディレイ
・ディストーション
・EQ
・モジュレーション
・ノイズゲート
・リバーブ など
ループ音源/サンプルあり

GarageBandはAppleが提供する無料の音楽作成ソフトです。Apple製品でのみ使用することができ、iPhoneやiPad、iPod touch、Macなどに対応しています。

初めて音楽作成ソフトを使う方でも直感的に操作できるユーザーインターフェースが特徴で、トラックを新規追加するとトラックに楽器のアイコンが表示されるので非常に見やすいです。

また、GarageBandには「Apple Loops」というループ音源が豊富に用意されており、曲の作り方が分からなくてもApple Loopsから気に入ったサンプルを組み合わせるだけで簡単に楽曲を作成することができます。

もしパソコンを持っていなくてもGarageBandにはiOS版アプリもございますので、iPhoneやiPadでも使い始めることができるのも大きな魅力です。

GarageBandに慣れてきてもっと様々な機能を使いこなしたいと思ったら、有料ですが上位版のLogic Proという音楽作成ソフトの導入を検討してみるとさらに利用できるコンテンツの幅が広がり、より楽しむことができます。

GarageBandのおすすめポイント

・直感的な操作が可能なユーザーインターフェース
・ループ音源、サンプルが豊富
・iPhoneやiPadでも利用できる

2位:Cakewalk by BandLab

料金無料
対応OSWindows 8.1以降
トラック数無制限
対応プラグイン・VST
・VST3
エフェクト・コンプレッサー
・EQ
・リバーブ
・ディレイ など
ループ音源/サンプルあり

Cakewalk by BandLabはBandLab Technologiesによって開発されているWindows向けの無料音楽作成ソフトです。もともとはSONARという有料DAWとして提供されていましたが、2018年にSONAR開発元のCakewalkがBandLab Technologiesに買収されたことによって無料の音楽作成ソフトになりました。

無料にも関わらず、当時約6万円で販売されていた旧SONAR Platinumと同等の機能が利用できるのが最大の特徴です。

Cakewalk by BandLabで一番おすすめの機能はMIDI入力で、他の音楽作成ソフトと比べてもMIDIマッピングがしやすいため、鍵盤楽器が弾けない方でも簡単にピアノやドラムの打ち込みをすることができます。

また、プラグインはVSTとVST3に対応しており、外部のプラグインを自分で追加して使用できるのもメリットです。

Cakewalk by BandLabのおすすめポイント

・有料音楽作成ソフトとほぼ同等の機能が使える
・トラック数が無制限
・MIDI入力機能が使いやすい

3位:Audacity 

料金無料
対応OS・Windows7以降
・macOS10.13 High Sierra以降
・Linux
トラック数無制限
対応プラグインVST
エフェクト・コンプレッサー
・ディストーション
・エコー
・リミッター
・フェイザー
・リバーブ
・ワウ など
ループ音源/サンプルなし

AudacityはWindowsやmacOS、Linuxで利用できる無料の音楽作成ソフトです。
リバーブやノイズ除去など内蔵エフェクトも多彩でオーディオのトリミングや分割なども簡単に行うことができます。

また、パソコンに内蔵されているマイクから直接録音・編集することもでき、降りてきたアイディアやメロディをすぐに形にすることが可能です。

完成した楽曲はWAVやAIFF、FLACといった音声フォーマットで書き出すことができ、無料でも高品質の作品が制作できます。

ただし、AudacityはMIDIを使った打ち込みができないので、声やギターなどの生楽器を録音してオーディオを編集したい方におすすめです。

Audacityのおすすめポイント

・オーディオトラックの編集がしやすい
・パソコンの内蔵マイクからも録音できる
・声やギターなどオーディオ素材を中心に楽曲制作したい方におすすめ

4位:Waveform Free

料金無料
対応OS・macOS 10.11以降
・Windows 8以降
・​​Ubuntu 18.04
トラック数無制限
対応プラグイン・VST
・VST3
・Audio Units
エフェクト・コンプレッサー
・ノイズゲート
・リミッター
・コーラス
・フェイザー
・ステレオディレイ
・ディストーション
・リバーブ
・EQ など
ループ音源/サンプルなし

Waveform Freeは、アメリカの音楽制作ソフトウェア/ハードウェアの開発メーカーであるTracktionが提供する無料の音楽作成ソフトです。

Waveform Freeの最大の特徴は作曲支援機能が充実している点で、「パターンジェネレータ」という機能を使うと指定したコード進行のパターンからバッキングからベースライン、メロディラインなどを自動で作成できてしまいます。そのため、作曲初心者で音楽理論が苦手な方でも気軽に楽曲制作を始めることが可能です。

また、VSTやVST3、Audio Unitsといったプラグインに対応しているので導入できる外部プラグインの幅が広いのも利点です。

無料のWaveform Freeを使ってみて物足りなさを感じたら有料のWaveform PlusやWaveform Ultimateにアップグレードすることもでき、これらの有料版ソフトも比較的リーズナブルな価格の音楽作成ソフトなのでおすすめです。

Waveform Freeのおすすめポイント

・WindowsでもmacOSでも使用できる
・VST、VST3、Audio Unitsプラグインに対応
・作曲支援機能が充実

5位:SoundBridge

料金無料
対応OS・Windows 7以降
・OS X El Capitan 10.11以降
トラック数無制限
対応プラグインVST
エフェクト・アナライザー
・コーラス/フランジャー
・ディレイ・フェイザー
・ビットクラッシャー
・ノイズゲート
・リミッター
・コンプレッサー
・リバーブ
・EQ など
ループ音源/サンプルなし

SoundBridgeは2018年にリリースされた比較的新しい無料の音楽作成ソフトです。
初心者でも扱いやすいシンプルな画面構成が特徴で、動作も軽いため高スペックなパソコンでなくても使うことができます。

無料ソフトであるにも関わらず、シーケンサーやミキサー、MIDIマッピング、オートメーションエディタなど楽曲制作に必要な機能は全て備わっているので、これから作曲を始めてみたい方にはぴったりの音楽作成ソフトです。

また、「RitMix」というドラムマシンが内蔵されており、画面に表示されるパッドを使ってオリジナルのビートを簡単に組み立てることができます。

SoundBridgeを利用するにあたってはメールアドレスとパスワードの登録が必要で、ソフトを起動すると寄付を募る通知画面が表示されますが、希望しない場合はお金を払わなくても使用し続けることが可能です。

SoundBridgeのおすすめポイント

・シンプルなユーザーインターフェースで見やすい
・ソフトの動作が軽い
・ドラムマシン内蔵

無料音楽作成サイト5選【ソフトのインストール不要】

次に、「もっと気軽に音楽を作ってみたい」という方に向けてブラウザから利用できる無料の音楽作成サイトを5つご紹介します。

Chrome Music Lab

Chrome Music Labの画面

Chrome Music LabはGoogleが提供する無料音楽作成サイトです。

ピアノやドラムなど様々な仮想楽器の演奏はもちろん、実際にピアノロール画面にノートを配置して簡単なメロディーラインを作曲することもできます。

身の回りの音のスペクトログラム解析や、コード構成音なども学ぶことができるので、小さなお子様と一緒に音楽の仕組みに触れるために活用するのにも向いているサイトです。

iO808

iO808の画面

iO808は、名機として名高いRolandのリズムマシン「TR-808」風のオンラインシュミレーターです。

TR-808を完全に再現したものではないですが、基本的な操作はできるので遊びながらヴィンテージマシンの使い心地を試すことができます。

あくまでもリズムマシンとしての機能のみとなりますので、iO808だけで作曲をするのは難しいですが、作曲ツールの一つとして活用するのもいいかもしれません。

Soundtrap

Soundtrapの画面

SoundtrapはSpotifyが提供する音楽作成サイトです。無料版でも4860のループ音源や440種類の音源を使用することができ、プロジェクト画面は一般的なDAWと比較しても遜色ありません。

鍵盤やシンセサイザーの音源を選択してピアノロール上で編集していくこともできますし、パソコンのマイクを使ってボーカルなどを録音することも可能です。

ギターやベースのアンプも搭載されているので、オーディオインターフェースを接続してライン録音をすることもできます。

OCEAN

OCEANの画面

OCEANは世界中のユーザーとジャムセッションをしながら作曲ができる音楽作成サイトです。使用するにあたってはアカウント作成が必要ですが、無料で利用することができます。

シーケンサー型のユーザーインターフェースが特徴となっており、初めて音楽を作る方でも扱いやすくなっています。

Soundation

Soundationの画面

Soundationは実際のDAWソフトのような画面で作曲ができる無料の音楽作成サイトです。

パソコンのマイクを使ってオーディオを録音していくこともできますし、お好きなサンプル音源をドラッグ&ドロップしてピアノロールやシーケンサーでメロディー、ビートを組み立てていくこともできます。

さらに、各トラックにはエフェクトも追加可能でオートメーション、ボリューム、パンもそれぞれ調節することが可能なのでかなり本格的な作曲用サイトです。

作成した楽曲を配信するには?

実際に作成した楽曲を音楽アプリで配信したいと思った方もいらっしゃるのではないでしょうか。

無料音楽作成ソフトで制作した楽曲は、簡単にApple MusicやSpotifyなど各デジタル音楽配信サービスで配信する事ができます。配信することによってたくさんの人の耳にとまればご自身の収益にも繋がります。

音楽配信サービスにオリジナル楽曲を配信するには、ディストリビューションサービスを仲介する必要があり、ディストリビューションサービスを展開している企業は数多くありますが、音楽メディアのDIGLE MAGAZINEがおすすめするのは「early Reflection」というPR型ディストリビューションサービスです。

early Reflectionでは、Apple MusicやSpotify、iTunesストアなど様々な音楽配信サービスへの楽曲配信の手配から、ニュース配信やインタビュー記事掲載、公式SNSでの告知などアーティストのプロモーション面も手厚くサポートしています。

作成した楽曲をデジタル配信するだけでなく、ご自身の曲をラジオやテレビなど各メディアへ積極的にプッシュしてもらいたい方やライブ活動も行ってみたい方は、ぜひearly Refectionをディストリビューターとして利用してみてはいかがでしょうか。

まとめ

オリジナル楽曲を作成するためには音楽作成ソフト(DAW)をパソコンなどにインストールする必要があり、無料で利用できるソフトも多くあります。

無料音楽作成ソフトを選ぶ際には、使用しているパソコンのOSや対応プラグイン、使用できるトラックの数、エフェクトの種類の豊富さやループ音源の有無などに注目することをおすすめします。

無料の音楽作成ソフトでもレコーディング機能やMIDIシーケンサーなど楽曲制作に必要な機能は十分備わっており、初めて音楽を作る場合でもすぐに頭の中のインスピレーションを形にすることが可能です。

作成した世界に一つだけのオリジナル楽曲はディストリビューションサービスを通して各音楽配信サービスに配信し、ぜひこの機会にたくさんの人に聞いてもらいましょう。