この記事のポイント①:個人でオンラインストアを始める方法が分かる
モール型、ASP型、ソフトウェア型の3つのオンラインストアタイプ別に特徴、メリット、デメリットをご紹介しています。
この記事のポイント②:個人でオンラインストアを開設する流れと開業後にすべきことが分かる
事業計画から開業届の提出までオンラインストアの開設と運営に必要なフローを解説しています。
この記事のポイント③:オンラインストア開設の注意点と成功のコツを解説
オンラインストアを始めるにあたって注意しておきたい点や売上を伸ばすコツをご紹介しています。
オンラインストア(ネットショップ)は、自宅からでも移動中でもほしい商品を購入できる存在として、多くの方に利用されています。
営業時間を設けたり店舗をかまえたりしなくても商品販売ができるなどのメリットがあるため、これから個人でオンラインストアを開業したいと考えている方も多いでしょう。
個人でオンラインストアを開業するには、一人で準備を進める必要があります。しかし、初めてのオンラインストア開業にあたって、「何から準備したらよいのだろう?」「どのサイトでオンラインストアを開設するべき?」と悩みがちです。
そこで、本記事では個人でオンラインストアを始めるステップや費用などを解説します。オンラインストアに関する注意点や成功させる施策についても紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
個人でオンラインストア(ネットショップ)を開業するには
オンラインストアを始める前に、まずはオンラインストア(ネットショップ)のタイプについて理解することが大切です。タイプには以下の3種類が挙げられます。
タイプごとにそれぞれ異なる特徴があるため、オンラインストアの規模や経営方針、商品の種類などに合ったオンラインストアのタイプを選択しましょう。
ここでは、オンラインストアの3つのタイプとそれぞれのメリット、デメリットについて解説します。
オンラインストアのタイプ
オンラインストアのタイプには、「モール型」「ASP型」「ソフトウェア型」の3つがあります。この3つの違いは、どこにオンラインストアを開設するかどうかです。
モール型は、インターネット上に存在するショッピングモールにオンラインストアを開設する仕組みです。ショッピングモールには、楽天市場やYahoo!ショッピング、Amazonなどが挙げられます。知名度が高く、信頼性もあるので、初めてのオンラインストア運営でも比較的簡単に集客できることが魅力です。
一方、ASP型は、ASPが提供しているオンラインストア運営サービスを利用してオンラインストアを開設する仕組みです(ASPとは「アプリケーションサービスプロバイダ」の略で、インターネット上で提供されているサービスの提供者を指します)。
オンラインストア運営サービスには、BASEやSTORESなどがあります。システムの範囲内でデザインや機能をカスタマイズすれば、オリジナリティのあるオンラインストアを開設できます。しかし、オンラインストアを利用してもらうために、広告やSNSなどを使って宣伝し、集客しなければなりません。
ソフトウェア型は、自分でドメイン取得とサーバー契約を行ない、ソフトウェアをインストールしてオンラインストアの開設を行います。他のタイプと比べると自由度の高いオンラインストアが作成可能です。
一度ソフトウェアを購入してしまえば、ランニングコストを抑えられるでしょう。しかし、初期費用が高いため、本格的にオンラインストアを運営していきたい方向けのタイプです。
タイプ | モール型 | ASP型 | ソフトウェア型 |
独自ドメイン | 利用不可 | 有料で利用可 | 利用可 |
デザイン性 | △ | ◯ | ◎ |
費用 | やや高め | 無料で利用できる 場合もある | 初期費用が高め |
集客力 | ◎ | △ | △ |
これらの特徴を比較すると、初めてのオンラインストア開業には、モール型かASP型がおすすめです。それぞれのメリットとデメリットについてさらに詳しく見ていきましょう。
モール型のメリット・デメリット
モール型のメリットには、以下のようなものがあります。
- 知名度や信頼度が高いため集客しやすい
- ドメインやサーバーを取得しなくても開設できる
- オンラインストアに関するサポートが受けられる
- セールやポイント還元などのキャンペーンに便乗できる
初めてのオンラインストア開設では、ドメインやサーバーの取得、集客方法の検討など、さまざまな知識の習得が必要になります。しかし、いきなりすべての知識の習得を行うのは難しいでしょう。モール型なら、ショッピングモールの集客力を活かして商品を宣伝・販売・販促することが可能です。
たまたまショッピングモールに訪れた顧客が、商品検索やランキングなどから商品を見つけて購入してくれることもあります。また、オンラインストアの運営に関わるサポートが受けられたり、商品の返品・返金対応のマニュアルが用意されていたりと嬉しいメリットが多いです。
一方、デメリットには以下のようなものがあります。
- ショッピングモールのルールに従う必要がある
- 独自性のあるオンラインストア開設は難しい
- 出店料や手数料などの固定費がかかる
- デザインの自由度が限られる
モール型では、他のショップよりも目立つオンラインストアを開設するのが難しく、売り上げを伸ばすためには商品の質や話題性などが優れていることが重要です。また、ショッピングモールごとに定められているルールに従う必要があるため、個人でさまざまな手法を用いて販売するといったことはできません。
それに加えて、毎月の出店料やシステム利用料などが発生するため、ある程度売り上げがないと赤字になる恐れもあるでしょう。売り上げがいくらくらいになりそうなのか算出し、赤字を避けるための戦略を立てたうえでモール型を選択することをおすすめします。
ASP型のメリット・デメリット
ASP型のメリットには、以下のようなものがあります。
- オンラインストアごとにサイトが異なる
- サーバーの準備は不要
- 最短当日に開設可能
- モール型よりもショップデザインの自由度が高い
- 月額料金が比較的安価
各ショップがそれぞれのサイトでオンラインストアを開設する仕組みになっているため、他の商品と価格や送料、サービスなどが比較されにくいでしょう。また、オンラインストア開設時にモール型では使用できないデザインを採用したり、便利な機能をつけたりといったあなたに合ったカスタマイズが可能です。
そのため、独自性を出して集客したい方や、他社と比較されることなく商品そのものを選んでほしい方にはASP型が向いています。
また、既存のシステムを使用するので、月額料金が比較的安価なのも魅力的です。さらに、最短当日でオンラインストアを始めることができます。すぐにでもオンラインストアを開設したいときは、ASP型を検討しましょう。
一方、デメリットには以下のようなものがあります。
- デザインはテンプレートから選択するのが基本
- 機能も限定的でASP次第
- 売り上げが伸びてきたらオンラインストアの見直しが必要
- 集客に工夫が必要
- キャンペーンやポイント還元などを独自で実施しなければいけない
ASP型は、モール型のように認知度による集客ができないので、自分で広告やSNSなどを使って、オンラインストアへ集客する必要があります。さらに、キャンペーンなども独自に運営していかなければいけません。
また、モール型よりも自由度が高いとはいえ、ASPが用意しているテンプレートの中からデザインを選ぶことになります。そのため、ソフトウェア型よりも独自性・自由性は低くなります。
オンラインストア内に便利な機能をつけることも可能ですが、機能の種類もASP次第となるため、顧客情報に基づいて必要な機能をつけたい方には不向きかもしれません。
個人でオンラインストア(ネットショップ)を開業するまでの流れ
個人でオンラインストア(ネットショップ)を始めるには、以下のような8つのステップを踏む必要があります。
- 事業計画(コンセプト策定)
- 商品の仕入れ
- 必要な届け出、申請を提出
- 決済方法、配送業者の選定
- 運営の流れを検討
- 会員管理を検討
- オンラインストアシステムの選定、ショップ構築
- 開業届の提出
上記の流れで開業の準備を行います。準備を開始する前に、それぞれの手順で行うべきことを確認しておくと安心です。ここからは一つひとつの手順について見ていきましょう。
1. 事業計画(コンセプト策定)
オンラインストアを始める前に、オンラインストアのコンセプトやブランディング、顧客ターゲット、取り扱う商品などを詳しく決めておきましょう。このとき、オンラインストアのロゴやデザイン、集客方法まで具体的に計画しておくと、オンラインストア開設後も運営方針からズレることなく運営できます。
もし、オンラインストアのコンセプトを変更する場合、オンラインストアを新たに制作しなければいけなくなる可能性が高いです。オンラインストアのデザインや機能はコンセプトや販売する商品に合ったものにすると、顧客のニーズにマッチして売り上げにつながりやすくなります。そのため、オンラインストアはコンセプトに従って開設することが大切なのです。
反対に、コンセプトとは異なるオンラインストアを開設してしまうと、売り上げが伸びなかったり顧客離れを引き起こしたりしてしまいます。このような事態を避けるために、オンラインストアを始める前に細かな事業計画を立てておきましょう。
2. 商品の仕入れ
オンラインストア運営は売れる商品がなければ成立しません。事業計画に基づき、必要な商品を仕入れましょう。
まずは必要な商品の仕入れ先を比較検討します。商品の品質や最小ロット、発注から納品までの期間などを詳しく調べてください。中には個人オンラインストアのように小規模な事業とは取引していない会社もあるので、事前に確認しておくことも大切です。
近年では在庫を持たないオンラインストアも増えてきています。在庫がないと迅速な対応ができない可能性があるので注意が必要です。在庫を持たないスタイルで運営したい場合は、いざという時にどのルートで商品を確保するかまで検討しておくと安心でしょう。
3. 必要な届け出、申請を提出
販売する商品によって、必要な届け出や申請は異なります。商品の種類と販売に必要な免許を以下の表にまとめているので、ぜひ参考にしてみてください。
※横にスクロールできます
商品の種類 | 例 | 必要な免許や申請 |
酒 | ビールや日本酒、ワインなど | ・通信販売酒類小売業免許 ・酒類小売業免許 ・酒類製造免許 |
食品 | お菓子や飲み物など | ・食品衛生責任免許 ・食品衛生法に基づく営業許可 |
中古品 | 古物の買取・販売、アンティークの販売など | ・古物商許可証 |
輸入品 | 海外製品 | ・検疫の申請が必要 |
必要な免許が取得できているか、許可を得ているかを提示するためにも申請を行い、適切なオンラインストア運営を心がけましょう。
4. 決済方法、配送業者の選定
オンラインストアの決済方法には、以下のようなものがあります。
- 銀行口座への振り込み
- 代引き
- クレジットカード払い
- コンビニ払い
- 電子マネー決済
- キャリア決済
- 後払い
決済方法が限られているオンラインストアは、利用するユーザーが使いにくいのが難点です。他のオンラインストアで同じ商品を取り扱っている場合、決済方法が多い方で購入されることもあります。各決済方法の特徴を把握し、どの決済方法を導入するか決めるようにしましょう。
銀行振り込みでは、オンラインストアの口座情報を顧客に伝え、その口座に代金を支払ってもらうため、オンラインストア側が行うべき手続きは必要ありません。代金が支払われたのを確認してから商品を発送することで、代金未払いのリスクがないのもポイントです。
また、代引きも代金未払いを防ぐ効果的な決済方法です。代引き手数料は顧客が負担するため、オンラインストア側の負担はありません。しかし、顧客が商品の受け取り拒否をした場合、手続きの手間と費用がかかります。
クレジットカード払いや電子マネー決済、キャリア決済は導入するのに時間や費用がかかってしまいますが、顧客からの利用率は多い決済方法です。
後払いサービスの導入には、初期費用や月額料金が発生します。決済機関が代金を立て替えて支払う仕組みになっているため、代金未払いのリスクがありません。
このようにそれぞれの決済方法にメリットやデメリットがあるので、比較検討してどの決済方法を導入するか決めましょう。
配送業者の選定では、以下のような項目を確認すると失敗せずに済みます。
- 配送料
- 配送期間
- 配送日時の指定が可能か
- 配送可能なサイズ・重さ
- 荷物追跡サービスの有無
複数の配送業者から選べるように準備しておくと「急いでいる顧客にはA」「通常配送でよい顧客にはB」といった割り振りができます。注文当日や翌日までの配送が可能な配送業者は配送料が割高になるため、顧客負担にするなどの対策も必要になるでしょう。
あらかじめオンラインストアに配送パターンや送料の違いを掲載しておくと、顧客が状況に応じて選択しやすくなります。
5. 運営の流れを検討
オンラインストアの運営では、大きく分けて2つの業務を行います。一つがフロント業務と呼ばれるオンラインストアの管理です。もう一つがバックエンド業務と呼ばれる、顧客に関わる営業やアフターフォローなどとなっています。
フロント業務の内容は以下の通りです。
- 商品の仕入れや製造
- オンラインストア制作や更新、管理など
- Webマーケティング
バックエンド業務の内容は以下の通りです。
- 注文内容の確認
- 在庫の確認と確保
- 顧客からの支払い確認
- 商品の検品や梱包
- 配送手続き
- 商品発送完了メールの送信
- 問い合わせ内容の確認と返信
- アフターサービスの提供
このように、2つの業務を細かく見ると作業内容が多く、注文や配送が多い日はとても忙しくなってしまいます。顧客を待たせたり不快に感じさせたりしないよう、毎日の作業内容を固定にしたり、作業効率を定期的に見直したりすることが大切です。運営の流れが自身に合っているかどうかを判断し、必要に応じて少しずつ改善していきましょう。
また、入金までの資金繰りなど、資金に関することも可能な限り細かく想定しておく必要があります。オンラインストア運営には、商品の仕入れだけでなく広告費やシステム利用料、手数料などさまざまな費用がかかります。十分な資金がない場合は資金調達の手段を調べ、いざというとき資金繰りに困らないように対策を練りましょう。
6. 会員管理を検討
会員管理では、既存のオンラインストア会員を購入金額に応じてランク分けしたり、ランクに応じたポイント付与やクーポン配布などを行います。また、会員だけの特別価格で商品を販売すると、通常会員に比べてお得感が出て顧客から喜ばれるでしょう。
しかし、会員数が増えると会員管理に手間がかかってしまい、他の業務に支障をきたしてしまう恐れがあります。ASP型では有料オプションで会員管理を支援してもらえることがあります。
また、会員管理を外部に委託することも可能です。自身で会員管理を行って費用を抑えるか、外注して他の業務に専念するかを検討してみましょう。
7. オンラインストアシステムの選定、ショップ構築
オンラインストアシステムにはモール型とASP型、ソフトウェア型があると紹介しました。この中から、検討事項に沿って自身が理想とするオンラインストアの方針や商品に合うものを選びます。
選び方は以下の表を参考にしてみてください。
オンラインストアシステム | おすすめしたい方 |
モール型 | 商品の品質や話題性に自信がある場合や集客力に不安がある場合 |
ASP型 | 独自のオンラインストアを制作して自身で集客したい場合 |
ソフトウェア型 | 自由度が高いサイトでオンラインストアを制作して必要な機能を盛り込みたい場合 |
それぞれ必要な費用も異なるので、オンラインストアの事業計画や予算に応じて検討しましょう。
8. 開業届の提出
オンラインストアを制作し、開設できたら開業届を提出しましょう。開業届とは、個人事業主として事業を開始するときに、管轄の税務署に提出する書類です。開業届は基本的に開業から1ヶ月以内に提出するよう定められていますが、提出しなくても罰則はありません。
しかし、開業届を提出することで以下のようなメリットがあります。
- 小規模企業共済に加入できる
- 事業用の口座開設ができる
- ビジネスカード作成や融資の際に開業証明ができる
また、開業届とともに青色申告承認申請書を提出しておけば、確定申告のときに白色申告よりも節税対策しやすい青色申告が可能になります。そのため、開業届と青色申告承認申請書をセットで提出するのが好ましいです。
開業届の提出方法は以下の3つから選べます。
- 税務署の窓口に提出する
- 税務署に郵送で提出する
- e-Taxで提出する
窓口では書類に不備があった場合、その場で指摘してもらえたり、不明点や疑問点を職員に尋ねたりできる点が特徴です。郵送の場合は足を運ばなくても提出できますが、税務署に届いたか確認できないと不安になるでしょう。
簡易書留や特定記録郵便などで送付すると、追跡サービスによって届いたことが確認できるのでおすすめです。また、e-Taxは入力しやすく、パソコンに記録として残しやすいのが魅力となっています。
オンラインストア(ネットショップ)を始めた後にやること
実際にオンラインストアをスタートさせた後は、基本的に下記のフローを繰り返していくことになります。
- 商品の仕入れ、製造
- サイトに商品を登録する
- 集客
- 受注管理、在庫管理
- 梱包、発送
- 分析、改善
オンラインストアを滞りなく運営していくに当たっては、開業後の業務の流れをしっかりイメージしておくことが重要です。
こちらでは、オンラインストアを始めた後具体的にどのようなことを行えばいいのか一つずつ確認していきましょう。
商品の仕入れ、製造
まずはじめに一番優先すべきことは販売する商品の確保です。事業計画を元に、商品の仕入れや製造を進めていきましょう。
仕入れ先によっては、一度に多く商品を注文すると仕入れ値を割引してもらえることもあるので、余剰在庫が発生しないように気をつけつつ、コストを最適化したい場合は検討してみましょう。
サイトに商品を登録する
商品の仕入れが完了したら、オンラインストアサイトに商品情報を登録し、サイトを更新します。
必要最低限掲載すべき商品情報は、「商品画像」「商品のサイズ」「商品の説明」の3点です。
オンラインストアを利用するユーザーは実際に商品を手にとって確かめることができないため、画面を通していかにユーザーに商品の詳細を具体的にイメージさせられるかかが鍵となってきます。
画像だけでは情報を伝えづらいと感じたら、商品を使用しているイメージ動画を撮影するのも一つの方法です。
集客
オンラインストアを始めたら、ユーザーにサイトに立ち寄ってもらえるようにオンライン集客を行いましょう。
オンラインでも行える集客の方法としては、
- 公式SNSの運用
- SEO対策を行う
- リスティング広告の掲載
- メールマガジンの配信
- YouTubeチャンネルの運営
などが挙げられます。
特にXやInstagramなどのSNSは、拡散力が高く口コミも広まりやすいため積極的に活用していくことをおすすめします。
受注管理、在庫管理
受注管理とは、商品が注文された後のデータの処理から商品配送までの一連の業務のことを指します。具体的には、請求書の発行や入金の確認通知などです。
受注管理でミスが発生すると顧客に不信感を与えてしまう可能性があるため、慎重に行うようにしましょう。
また、商品の出荷や追加の仕入れがあった場合は、都度在庫管理も行う必要があります。
在庫不足だと売り逃しが発生してしまいますし、在庫が多すぎても保管コストがかかりますので、これまでの売上データや販売予測を元に在庫数を調整しましょう。
梱包、発送
顧客からの入金が確認できたら、商品を梱包して配送業者に引き渡します。
商品を梱包する際は、配送中に商品に傷や汚れがつかないよう丁寧にラッピングしましょう。
また、お礼のメッセージを記したカードなどを同包すると、イメージアップに繋がり顧客満足度に影響する可能性もあるため、業務上余裕がある場合は行ってみても良いかもしれません。
分析、改善
オンラインストアをさらに成長させていきたいと考えている場合は、オンラインストアを利用したユーザーの行動を分析してみましょう。
分析用のツールには「Googleアナリティクス」などがあります。ユーザーがどこからサイトに流入したのか、一日のアクセス数、検索で使用されたキーワードなどが分かれば、オンラインストアの現状をより具体的に把握することができます。
データを元に商品ページや集客方法などを適宜改善していきましょう。
オンラインストア(ネットショップ)の注意点
オンラインストアは開設後にどのような運営を行うかが重要です。顧客が信頼して商品を購入できる安全なオンラインストアにするためにも、いくつかの注意点に気をつけて運営していきましょう。
ここからは、オンラインストアの運営における注意点を5つご紹介します。
特定商取引法に基づく表記
特定商取引法とは、事業者による違法・悪質な勧誘行為などを防止する法律のことを指します。消費者トラブルになりやすい取引を対象としたルールが定められていて、オンラインストアの運営者もこの特定商取引法に則った業務を行わなくてはいけません。
オンラインストアではさまざまな情報を顧客に提示し、安心して買い物をしてもらう義務があります。特定商取引法に基づく表記には、以下のようなものがあるので確認しましょう。
- 商品の販売価格
- 商品の送料
- 代金の支払い方法や期限
- 商品のお届け時期
- キャンセルの有無や方法
- 事業者名や住所、電話番号
- 請求書などの発行に関する情報
他にも、継続契約による商品販売を行う場合には契約内容や条件などを記載するといった決まりがあります。また、商品をより優れているように見せる表記などは規約違反となり、業務改善指示や商無停止命令が下されるので注意しましょう。
銀行口座や電話番号は専用のものを
オンラインストア運営では、顧客から代金を支払ってもらうための銀行口座があると便利です。近年ではPayPay銀行や楽天銀行をはじめ、さまざまな銀行でネットバンクを展開しています。
ネットバンクは入金や出金の明細がネット上で確認できたり、振り込みの反映がスピーディだったりと利点が多いです。そのため、これからオンラインストア用の銀行口座を開設するのであれば、ネットバンクがよいでしょう。
また、顧客が問い合わせたり、こちらから顧客に対して連絡をしたりするときに使う電話番号は、個人のものではない方が好ましいです。個人の電話番号をオンラインストアに掲載した場合、トラブルに発展してしまうケースがあります。
また、仕入れ先や配送業者との連絡にも使う電話番号なので、個人用とビジネス用で使い分けた方が経費の計算も楽になるでしょう。もう一台電話を契約するのが難しい場合は、インターネットを経由するIP電話がおすすめです。自身の状況に応じて電話番号を一つ用意してみてください。
配送期間は信用に直結する
配送までの期間は、顧客にとって重要な項目です。商品をできるだけ早く届けてほしいのに、商品購入から届くまでの時間がかかりすぎてしまうと、顧客は「別のオンラインストアで購入しよう」と考えるでしょう。また、配送手続き完了のお知らせが送られてこないといったケースでも、顧客はオンラインストアに対して不信感を持ってしまいます。
顧客の信用を得るためには、大切な商品をできるだけ早く丁寧に配送することが大切です。配送業者にもいくつか選択肢があります。配送期間や配送の丁寧さを重視して選びましょう。
より満足度の高い配送を目指すのであれば、配送の日時指定や荷物追跡サービスなどがある配送業者を選定するようにしましょう。
アフターフォローを大切に
オンラインストア運営におけるアフターフォローには、以下のようなものが挙げられます。
- 返品・交換・返金の対応
- クレーム対応
- 休業期間の対応
商品に問題があったとき、迅速な返品・交換・返金の対応を求められます。この対応が遅くなるほど、顧客はオンラインストアに対して不信感を抱き、評価を下げてしまうので注意が必要です。
返品希望なら返品までの流れをわかりやすく説明し、返金手続きまでスピーディに行いましょう。また、交換希望の場合は、顧客の手元にある商品を返送してもらい、オンラインストア側は新しい商品を確保して配送を行う流れになります。
これらの対応は顧客目線で行うと評価が高くなり、固定客を獲得しやすい傾向があります。例えば、交換対応ではオンラインストアから新しい商品を送り、配送業者が顧客のもとに商品を届けた際、そのまま返送を依頼できるように手配すると親切です。
商品購入のときだけでなく、アフターフォローも丁寧な対応ができると売り上げ向上にもつながるため、ぜひ重視して対応しましょう。
一定金額を超えたら確定申告を
1月1日から同年12月31日までの期間に、オンラインストアの売り上げが一定の金額を超えた場合、確定申告が必要になります。オンラインストアの運営が本業である場合は、48万円の基礎控除よりも所得額が多ければ、確定申告が必要になると考えてよいでしょう。
また、副業でオンラインストアを運営している場合では、売り上げが20万円を超えた時に確定申告を行う必要があります。オンラインストア以外の副業を行っている場合でも、副業の所得全体が20万円を超えている限りは確定申告をしましょう。
確定申告の方法は白色申告と青色申告の2種類あります。青色申告承認申請書を提出している場合は、節税効果の高い青色申告を選択可能です。申請書が未提出の場合は白色申告となります。
あなたにとって白色申告と青色申告のどちらがよいかは収益や個人の意見によって異なります。青色申告は帳簿の記帳が必要になるため、確定申告が面倒に感じる方も多いです。ただし、オンラインストアの収益が多いのであれば、控除額が高い青色申告をおすすめします。
個人オンラインストア成功のコツ
個人でオンラインストアを始めるとき、気になるのが成功のコツでしょう。力を入れてショッピングモールやASPでオンラインストアを作ったり、自力でサイト制作を行ったりしても、売り上げが伸びなければ目的を達成できません。
個人オンラインストアを成功させるコツは以下の3つです。
- 集客とオンラインストアのタイプ
- 会員向けサービスの検討
- ランニングコストを抑える
それぞれどのようなことに気をつけたらよいのか見ていきましょう。
集客とオンラインストアのタイプ
個人オンラインストアでは、法人と違い宣伝による集客から商品の販売、配送まですべて自身で行う必要があります。売り上げを伸ばすポイントは集客方法です。
オンラインストアにアクセスした顧客数や購入率、客単価などを分析し、どのような顧客がアクセスしているのか、何がどのくらい売れたのかを整理しましょう。情報をもとに顧客ニーズを見極め、どのように集客したら効果的なのか検討します。
オンラインストアの集客方法は、無料のものと有料のものに分けられます。集客方法として挙げられるのは以下のようなものです。
集客方法(無料) | 集客方法(有料) |
・ブログ運営 ・SNS運営 | ・リスティング広告 ・アフィリエイト広告 ・ディスプレイ広告 ・SNS広告 |
集客方法を考慮し、オンラインストアのタイプを選択することは大切です。モール型は出店料やシステム使用料などの費用がかかりますが、有料広告を使わなくても集客しやすい傾向にあります。
それに比べてASP型は集客に工夫しなければ売り上げ向上は難しいです。そのため、無料広告や有料広告を組み合わせるなどして、広告を打ち出す必要があります。
しかし、すでに実店舗やWebサイトを持っている場合や、集客の知識と経験がある場合はASP型でも十分に集客可能でしょう。状況に合わせてオンラインストアのタイプや集客方法を検討し、自身に合うスタイルを探してみてください。
会員向けサービスの検討
個人オンラインストアにおける会員向けサービスには、会員になった顧客だけが利用できる限定オンラインストアがあります。
限定オンラインストアでしか手に入らない商品を用意し、一般の顧客と差別化することで、常連に利用してもらいやすくしたり、お得感を味わってもらったりすることが可能です。
会員向けサービスがあると固定客化が見込まれるため、顧客離れのリスクを軽減する効果にも期待できます。
ランニングコストを抑える
モール型、ASP型のオンラインストアでは初期費用や月額費用とは別で各種手数料が発生する場合もあります。代表的な手数料として「決済手数料(顧客の決済方法に応じて発生)」「販売手数料(顧客が商品を購入すると発生)」「振込手数料(売上金の振込時に発生)」などが挙げられます。
特にASP型のオンラインストアでは、有料プランに加入すると一部手数料が無料になったり、無料プランよりも手数料が安く設定されているケースが多いです。そのため、月の売上が多いほど有料プランの方が結果的にお得になる可能性もあります。一概に無料プランの方がランニングコストが低いというわけではないため、売上状況に応じたプランを利用しましょう。
まとめ
本記事では、個人でオンラインストアを始める方法や注意点などについて解説しました。オンラインストアと一言で言ってもいくつかタイプがあるため、集客方法や売り上げなどに合う方法でオンラインストアを開設するとよいでしょう。
オンラインストア開設に関する知識や経験がなく、開設・運営に不安を感じる方には、サポートが受けられるASP型がおすすめです。ASP型にもさまざまなタイプがあります。機能が豊富で、売り上げ向上につなげやすいサービスを選びましょう。
オンラインストア開設時や運営時には、今回ご紹介した注意点や成功のコツをぜひ参考にしてみてください。
また個人でオンラインストアを始めるなら「Bitfan」を利用することをおすすめしています。Bitfanでは、さまざま様々な用途のサイトが開設できるプラットフォームサービスです。
匿名配送や予約販売、有料会員限定販売、ポイント付与などの機能にも対応しています。Bitfanを利用すれば、オンラインストアの運営者も顧客も満足できるオンラインストアが制作できるでしょう。