自由大学というコミュニティが示す未来について | Sound Location #002

Interview

文: ヨシヤアツキ 

表参道と聞いて想像することは、都心でも有数のお洒落な街で高級なブランド店やこだわりのカフェが集結していて…といった所ではないだろうか。 そんな所に突然現れる森の中のロッジの様な異空間がある。それが自由大学だ。 そこの講義の1つで音楽の新しい概念を探求する講義、その名もDIYミュージックの核となるお2人sawakoさん・鈴木さんと自由大学の学長である岡島さんに“これからの学び”そして“これからの音楽”について聞いた。

学びの場としてのコミュニティ

― まず最初に僕が自由大学を知ったのは偶然といいますか、通りかかって建物がおしゃれだったり、都心には感じられない独特の雰囲気を感じたので入ってみたところその日がたまたま学園祭の日で、そこのコーナーの一つにDIYミュージックがありましてとても気になったので今回取材させていただくことになりました。ありがとうございます。

自由大学とはどういったところなのか調べたところ2009年に開校して「大きく学び自由に生きる」というテーマのもとこれからの働き方とか時代が求めるものを題材にユニークな講義を展開している学びの場ということですよね

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sawako:

はい。

― 大学とはいっても普通の大学とは違う、というのは受験もなければ誰でも参加できるフリーなイメージを調べて感じたのですが、お二人にとって自由大学はどのような場所としてとらえていますか?

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sawako:

コミュニティーみたいな所なのかな、と。大学っておっしゃられたんですけど、今大学って名前の付いた学びの場って増えていて「シブヤ大学」とか「丸の内朝大学」とか。それらが創立した8年ほど前に自由大学がスタートしたんです。

新しいライフスタイルや働き方に興味がある方や、働き出してちょっと落ち着いて仕事場以外の自分ってなんだろうと考え始めた方、DIYミュージックの場合だと、大学卒業後バンドをやめたり音楽を聴く機会がなかなかなくなっちゃった方がいらっしゃっることもあります。

あと自由大学は卒業してからが面白くて、卒業した後に講義を作ることに参加したり、クリエイティブチームといって実際に自由大学を運営するチームに入ったりする人がよくいらっしゃいます。講義を受ける中で刺激を受けて何かが爆発して行動する人が多いですね。

― 自由大学で学んだことが後々に活きているということですね。

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鈴木:

「大学」という名前ですが、いわゆる4年制で単位を取って卒業という流れがあるものではないので。自分で一つの講義を受講して何年後かにまた受講したり、関わり方も自由でカリキュラムなどの制約がないところもいいですよね。

ーキュレーションの面に関してはインターネットが栄えて色んな情報が溢れている中で、それを正しく選択するのが大切になると思っていて、それを教えてくれる場でもある気がします。

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鈴木:

受講する方の年齢がバラバラというのが一番大きいと考えていて、「社会人になってから学びたい」というよりかは別の刺激を取り入れるべく来ている人が多いのではないのかと思います。自分も、今から受けたい講義が出てくれば受講しますし、社会人になって自分の軸ができたからこそ、普通の生活では受けられない刺激を受けると掛け算的につながっていくと思うんです。
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sawako:

教授が一方的に教えるのではなくて一人ひとりが持ち寄ってシェアして学んでいこうっていうフラットな関係なんですよね。

だから自由大学って教授とは別にキュレーターがいるんですけど、教授一人が一方的に自分の考えをいうのではなくて教える立場とは別の視点で講義を見守る立場のキュレーターを置くことで、バランスを取っています。

ー 一方的な授業の進め方ではなくインタラクティブな授業の進め方ならば授業への関心も高まるなと今聞いていたのと、普段大学の講義を受けていて思いました。

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sawako:

自由大学の講義って色々なものが講義のテーマになっているんですけど、どの講義も”フラットで皆んなで持ち寄って学ぶ”という態度と姿勢を教えてるんじゃないかなって思います

そこに教授とキュレーターの個性が出て、普段かかわりがない多様な生徒の方々がそれぞれの視点や意見を持ち寄ってシェアする場を生み出せるということは貴重な機会だと思いますね。。

次ページ:音楽をDIYするということ。

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